底無沼
2011/08/01 Mon. 00:00:49 edit
底無沼 (ふしぎ文学館) (2000/05) 角田 喜久雄 商品詳細を見る |
角田喜久雄の短編アンソロジーですが、
いやー濃いです。
まず題名
『あかはぎの拇指紋』『恐水病患者』『蛇男』『笛吹けば人が死ぬ』
これだけでいい雰囲気に出揃っています。
内容は
『下水道』が凄い。
異常心理モノのようでいて途中本格っぽくなって再度変格モノ的なラストで終了しますが、
青年のおかれた状況がひどすぎます。コワイ。
『蛇男』人の不安感を煽り立てるかのようなみえない蛇男。コワイ。
『恐しき貞女』思い込みの激しい女性の周りで起こる事件。コワイ。
『沼垂の女』ぬったりと読みます。何かありそうな雰囲気だけでコワイ。
『悪魔のような女』筋が通ってる分コワクない。
でも繰返される”洞穴のような二ツの目”という言葉がコワイ。
『四つの殺人』哀しい。
『笛吹けば人が死ぬ』プロバビリティの犯罪モノですが
わりと主人公が飄々としていてそんなに暗くならない。
とまあ充実の一冊でした。
あと『下水道』での
”黒い塵煙の渦流が不変高速度をもって頭脳を攪乱していたごとき感じがする”
という文がかっこよかった。
コメント
ぬまー!!
沼ってとても好きなんです。
それだけで雰囲気が良い!
ぬったりっていいですね。
URL | semicolon? #-
2011/08/02 00:02 * edit *
2011/08/02 00:02 * edit *
Re: ぬまー!!
semicolon? さん
沼の周りには色とりどりの睡蓮がさいているイメージでしょうか?
本作により、
私には”底無沼”のイメージが植えつけられてしまいました。
もうあの頃には戻れない!
URL | 面白半分 #-
2011/08/02 22:29 * edit *
2011/08/02 22:29 * edit *
まさかまさか
私も底なし沼のイメージですよ。
何が沈んでいるのかとドキドキします。
URL | semicolon? #-
2011/08/03 03:04 * edit *
2011/08/03 03:04 * edit *
Re: まさかまさか
semicolon?さん
底無沼の下には屍体が埋まっているんです。
byかじいもとじろー
URL | 面白半分 #-
2011/08/03 23:28 * edit *
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2011/08/03 23:28 * edit *
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