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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

妖異百物語 第一夜

『妖異百物語 第一夜』
鮎川哲也・芦辺拓編
妖異百物語〈第1夜〉 (ふしぎ文学館)
妖異百物語〈第1夜〉 (ふしぎ文学館)

鮎川哲也編の「怪奇探偵小説集」と同趣向の作品を収録しています。
あちらが3巻こちらが2巻でこれで結構満腹。
収録作はかぶっていないところが嬉しい。

まずは「第一夜」

「魚臭」鷲尾三郎
昭和二十七年(探偵実話)

船の沈没と共に海へと沈んだ妻が魚として夫の元へ戻ってくる。
ついには夫も魚になる決意をして人間界を去る。魚臭を残して・・・


「肌冷たき妻」川島郁夫
昭和二十九年(宝石)

山で遭難した妻を探し続ける男の話。こちらは冬眠を持ち出してきた。
異様な雰囲気でクラクラする。


「硝子妻」楠田匡介
昭和二十六年(探偵クラブ)

発表時は「人肉硝子」という題だったらしい。
先の2編と比べると乾いた感じだが、なにしろ、人肉とガラスだ。


「胎児」四季桂子
昭和三十二年(探偵倶楽部)
胎児から母親を描いた作品。しかも母殺し。
ねっとりとした文体とこのような視点が昭和三十二年作とはスゴイ。


「人面師梅朱芳」赤沼三郎
昭和二十四年(探偵よみもの)

妖しい宴のために人の顔を作り変えた人面師のとある婦人にあてた
警告の書簡。意外なところに真意があった。


「変身」夢座海二
昭和二十八年(宝石)

精神を入れ替えるという研究をしていた師弟が犯人と被害者になる。
結局どっちがどっちなのだか不明にして作品は終わる。


「忘れるのが怖い」和田宜久
昭和四十七年(チャチャ・ヤング・ショート・ショート)

物忘れがひどくなっていく男の日記。
ユーモラスな作品かと思いきや哀しい。


「金魚」渡辺啓助
昭和三十七年(宝石)

幽霊譚+犯罪譚だが最後はまたこの世ざるもの。


「人喰い蝦蟇」辰巳隆司
昭和二十五年(妖奇)

ねちねちとした雰囲気はいかにも蝦蟇で妖異です。
なんとなくハッピーエンドなところが逆に違和感というか可笑しい。


「怪虫」鮎川哲也
昭和三十一年(読切特撰集)

なんと鮎川哲也です。しかもパニックSF。怪獣でなく怪虫に都市が破壊
されていきます。虫が突然変異を起こす原因として空飛ぶ円盤がでてきま
すがこれはさらりとした処理で深くは書かれていません。


「奇術師」土岐到
昭和三十五年(宝石)
もういちど喝采をあびて引退をしたかった奇術師の一世一代の奇術。
文章も読みやすく怪奇的な雰囲気はないですがインパクト大。。


「黄金珊瑚」光波燿子
昭和三十六年(宇宙塵)

「宇宙塵」創設期の同人だそうです。名前のとうり女性との事。
中身は異世界からの侵略モノとでもいえるもので、もろSF。
結末もまた素晴らしい。


「人蛾物語」左右田謙
昭和二十八年(探偵実話)

人の顔をした蛾との妖しい生活。これぞ怪奇探偵小説テイスト。


「永遠の植物」村上信彦
昭和二十八年(宝石)

未開の森林で行方不明になった娘とその婚約者を追う男。
これもそのまま終わらせないラストが効いている。


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しかし出版芸術社はいい仕事をしますなあ。
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コメント

手に取った事は一度もありませんが、

ずいぶん、懐かしい冊子名を目にしました。

「宇宙塵」!

URL | torioden #-
2016/12/03 11:47 * edit *

Re: タイトルなし

triodenさん
こんばんは

『宇宙塵』
日本SF黎明期の最重要なワードですね。
よくご存じでしたね。
この時期はSFも怪奇探偵小説も割と近いテイストを持っていたのかもしれません


私は数年前世田谷であった日本SFの展覧会みたいなもので
もしかしたら現物見ていたかもしれないです。

URL | 面白半分 #-
2016/12/03 22:02 * edit *
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