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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

よもつひらさか

『よもつひらさか』
今邑彩



現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。
なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。
ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を
飲み干し…。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあると
いう不気味な言い伝えを描く表題作ほか、
戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。


なんという面白さでなんという恐さだろう。
”ホラー”という呼び名が好きでないので敢えていいますと
これらはまぎれもなく怪奇小説集です。
しかも探偵小説時代のそれを彷彿させます。

「見知らぬあなた」
正体不明の文通相手と殺人事件との関係は?

「ささやく鏡」
自分の未来を映す鏡の話。

「茉莉花」
出張先の父からの不可思議な手紙。
ミステリ的解決とそれ以上の何かがあります。

「時を重ねて」
これは抒情SFともとれる物語です。

「ハーフ・アンド・ハーフ」
なんでも割り勘にしないと気がすまない妻との離婚協議。
切れ味鋭いオチに感服です。

「双頭の影」
奇妙な話ですがラストでのとある暗示がジワリと効く。

「家に着くまで」
タクシー運転手と客の会話からとある事件の真相が語られる。
ミステリとしての面白さが堪能できます

「夢の中へ・・・」
ラストで物悲しい話にかわります。

「穴二つ」
メールのやり取りをする二人の人物。
常に想像の上をいく展開でした。

「遠い窓」
幻想的な事象が起こるがミステリ的な解決もされ、さらにひねりが。

「生まれ変わり」
最後にそれまでの登場人物とは違う人物のモノローグが入った。
読み返してその仕掛けに気付いた。すごい展開だった。

「よもつひらさか」
”なまぬるい水”という表現からもうなんかイヤな感じ。
読み手がだんだん気付いていく事でコワさが増していきます。

傑作ぞろいの短編集ですが
ミステリ度の強い作品、そうでないものとあります。
いずれにしても事件の構図がある時点で反転してしまうあたりは
連城三紀彦さんの作風とも通じるところがあるかもしれません。
巧みな文章表現であるところも似ているかもしれません。

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