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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

パズル崩壊

『パズル崩壊』
法月綸太郎



女の上半身と男の下半身が合体した遺体が発見された。
残りの体と密室トリックの謎に迫る(「重ねて二つ」)。
現金強奪事件を起こした犯人が陥った盲点とは?(「懐中電灯」)
全8編を収めた珠玉の短編集。


「重ねて二つ」
『奇想の復活』という書き下ろしアンソロジーで最初に読んだときは
まさに奇想と感じました。
実際にはありえないと思いますが本格作家はここまで考えるのだと
恐れおののきました。
また人間だって単なるミステリの道具だてにすぎないと
これは批判的ではなくほんとに驚きました。

「懐中電灯」
倒叙物でコロンボ風なのでこれは奇想ではなく手堅い作品でした。

とここまでは面白かったのですが
あとはちょっと小難しかったり狙いがわからないものばかりでした。
ちょうど本格の枠組みについて悩んでいた時期の短編集になるようで
これ以降ふっきれたかのように気楽に?本格モノに取り組めたようです。

ということでパズラー法月綸太郎を求める人は本短編集は
”パズル”という書名があるにしても後回しで良さそうです。
(パズル”崩壊”はそういった内容からなのでしょうか)

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「重ねて二つ」は他アンソロジーにも収録されていました。
これだけは探してでも読むべし。
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新装版 頼子のために

『新装版 頼子のために』
法月綸太郎



「頼子が死んだ」。
十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に
疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて刺殺、自らは死を選ぶ――
という手記を残していた。しかし、手記を読んだ名探偵法月綸太郎が
真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が。
著者の転機となった記念碑的作品。長く心に残る傑作!


新装版という事で数十年ぶりに再読しました。
”著者の転機となった記念碑的作品”とありますが
読み手としてもちょっと思い入れがあります。

当時、新本格ブームまっただ中でこれらの作品を読み漁っていました。
論理のアクロバット、トリックのためだけに構築された舞台。
それらを期待していた中での『頼子のために』。
ちょっとダメでした。
以降しばらくこの著者の作品は読まなくなった記憶があります。
(発表作品数も多くはないのですが)

そんな中の再読ですが、全体に通じる重いトーンと救いのない結末に
当時はイヤな感情をもったのだと思い出しました。
しかも当時著者は自分よりちょっと上の世代で若かった筈。
そんな人がこのような作品を書いたのでショックを受けたのかも
しれません。

パズラー限定の法月綸太郎ファンは読まなくてもいいかもしれません。

しかし意外に読みやすく、
グイグイ物語に引きずる込まれていく感覚がありました。

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犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題

『犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題』
法月綸太郎
犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題 (光文社文庫)
犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題 (光文社文庫)


売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。
その建物にはかつて虻原が所属していた劇団の主宰者が住んでいた。
二人には感情のもつれがあったらしいのだが…。
虻原は連載コラムの最終回に不可解な俳句を残していた。
はたして俳句に隠された意味とは?(表題作)。
六つの星座にまつわる謎の数々を、名探偵・法月綸太郎が
鮮やかに解決してゆく。連作本格推理。


星座と神話をモチーフにした短編ミステリ集ですが
それぞれにつながりはありません。

気軽に読んで楽しめる。そして後にはいっさい何も残さない、
と著者自身が狙う処のミステリです。

そのせいかパズラー指向が高く読む方は楽しい。

特に「ゼウスの息子たち」が素晴らしい。
読み手の思い込みを蹴散らすこの展開。これこそ本格短編。

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生首に聞いてみろ

『生首に聞いてみろ』
法月綸太郎
生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)
生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)


首を切り取られた石膏像が、殺人を予告する―著名な彫刻家・川島伊作が
病死した。彼が倒れる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏
像の首が切り取られ、持ち去られてしまう。悪質ないたずらなのか、それ
とも江知佳への殺人予告か。三転四転する謎に迫る名探偵・法月綸太郎の
推理の行方は―!?幾重にも絡んだ悲劇の幕が、いま、開く。


既読ですが忘れているので再読しました。
500ページ越えの長編ですが殺人事件が起こるのはだいぶ後でしかも単発。
タイトルどうりの生首が出てくる猟奇事件ですが構造は地味です。

しかし終盤の伏線が回収されていくところは圧倒されます。
本格ミステリの美しさとでもいおうか、これは素晴らしい。
事件のキーとなる事柄について、
当事者にはそんな誤解は生まれないだろうという指摘はもっともです。
まあ私はいいと思うけど。

また、知らないところで事件発生前後に探偵が関わっていたというのは
この悩める探偵の好きそうな話でもありますね。

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各章の題はキング・クリムゾンの曲名から
新本格作家は結構プログレ好き多そう。

第一部 FraKctured