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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

神曲法廷

神曲法廷
山田正紀
神曲法廷 (講談社文庫)
神曲法廷 (講談社文庫)


一片の金属すら持込むことができない密室状態の中で弁護士が刺殺された
法曹関係者が連続して殺されていく事件の謎を「神の烙印」を押された
検事、佐伯神一郎が追う。すべての真相は異端の建築家が造った
「神宮ドーム」に隠されているのか!?読者を凍てついた神話世界に誘う、
超絶本格推理ただいま開幕。


ダンテの『神曲』をモチーフにした重厚な本格ミステリです。
事件は
金属探知機を通って入った部屋での弁護士刺殺
マスコミが押し寄せる中での別室移動とそこでの判事絞殺
ドーム内での人間消失と密室での被告殺害
と不可能趣味満載の大作です。
そのほかにも細かい謎が随所にあり
かなりとっつきにくい作品ではありますが
ひとたび作品世界に惹きこまれるともう止まりません。

登場人物も異端の建築家、検事、警察官、謎の美少年、精神科医と
多彩でありながら、その他脇役含め、みな重苦しく陰鬱な雰囲気です。

そして主人公佐伯も不安定な精神状態の中、”神”の声に導かれます。

検察と警察の体質についての問題を一方の軸とし
神曲』に取りつかれた建築家の想いとその執念が異様な雰囲気を
醸し出す重厚な作品でした。

一つ目の事件(弁護士刺殺)の解決であるラストはコワい。
ここだけ抜き出せばホラー(超常的なものではなく)です。

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佐伯が作中で「密室トリックなんてどうでもよい」
というような事を言っています。
実は他の不可能犯罪も単発のトリックとしたら結構憤慨モノかも。
でもこの作品では許されてしまうんでしょう。

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剥製の島

『剥製の島』
山田正紀
剥製の島 (徳間文庫)
山田 正紀
4195779251


山田正紀初期の短編集です。
SFというより冒険小説的な作品が多かった。
「アマゾン・ゲーム」「密漁者たち」「剥製の島」が特に良かったが
もう少し膨らませて中編のボリュームにしても良かったのでは、
と思わせるほど充実していた気がする。
「湘南戦争」も陰鬱なムードが強いが惹きこまれた。

本作品集は85年の徳間文庫版以降再版がかかっていないようです。
見つけたらボロボロでも買っておきましょう。

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エンジェル・エコー

『エンジェル・エコー』
山田正紀
エンジェル・エコー (新潮文庫)
山田 正紀
4101055319



超空間―ビッグ・バン以前の宇宙から残された時空間のゆらぎ。
その中を漂う巨大な人工構造物カクテル・グラスとは。
多国籍コングロマリットKAWADAはその謎を解明すべくドライ・マティニ・
プロジェクトをスタートさせる。親を持たない塔養槽チャイルドの
“ぼく”は、銀河最高のキャンペーン・ガールにして冒険家の香青玉と
ともに、超空間に突入した。新感覚の本格長編SF。


ハードSF的な単語の洪水だった。
でも決してそこを目指した内容ではなさそうです。
そして読んでいても情景が思い浮かばない。
熱い冒険譚でもない
紹介文の”新感覚”というのは苦肉の表現かもしれません。
あるいは的を得ている?

しかしラストにヒロインを救うためにとった
主人公の行動とそのSF的屁理屈が良かった。

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謀殺のチェスゲーム

『謀殺のチェスゲーム』
山田正紀
謀殺のチェス・ゲーム (ハルキ文庫)
謀殺のチェス・ゲーム (ハルキ文庫)


両親を失った少年が復讐のために、日本最大の暴力団の組長を狙撃し逃走
したことで、全国的なやくざ戦争が始まった。時を同じくして、新戦略専
門家・宗像一佐は、レーダーから消えた、最先端の科学を結集した対潜哨
戒機の調査を命じられ、事件の背後に、元同僚のゲーム理論家の影を見て
いた。暴力団から逃げる少年と元同僚を追う男が交錯するところに見たも
のとは果たして…長篇本格アクションの金字塔。


やくざ、逃げる少年達、自衛隊、企業、新戦略専門家、戦いのプロ。
いたるところで登場人物が交差しつつ、しかしそれほど複雑には絡まず、
変な表現ですがスピード感を損なわない絶妙な構成です。

いろいろな戦いの構図がありどの場面もハラハラドキドキ。
戦略家の頭脳戦の場面も良いし、企業の政治的な駆け引きも良いし、
なによりも佐伯と立花という戦士のアクションシーンがよい。
登場人物の皆に見せ場があり飽きさせません。
人を駒としてみることしかしない戦略家達の最後を暗示する部分も良い。

凄まじい大傑作ですよ。これは。

マイ山田正紀ブームはずっと続いていますが
本作のような超ド級傑作を読むと
このブームは終わらないと確信させてくれます。

まだまだ読んでいない作品が多くこれからも楽しみです。

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山田正紀のように、でなく、”山田正紀になりたかった”という
西澤保彦の解説が熱い。
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孔雀王

『孔雀王』
山田正紀

同タイトルのコミックがありましたがこれは全くの別物です。
未来の世界に飛ばされた男がその世界で創造主を探すという物語です。
元の世界ではヤクザを相手に強盗を繰り返していた男、鉄夫。
飛ばされた未来でも派手に戦っていきます。
本作は物語途中で終わってしまいますが本来は3部作だったようです。
またしても途中で飽きちゃったんですね。山田正紀先生。
SF的な面白さはここからだったようでしたが・・・・。

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いろいろ再版もある山田作品ですが本作は昭和56年初版(と何版?)かの
角川文庫でしか存在しないようです。
見つけたら買っておいたほうがいいですよ。多分。

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幻象機械

『幻象機械』
山田正紀
幻象機械 (中公文庫)
幻象機械 (中公文庫)


日本人に特異的な右脳と左脳の機能差研究から、無中枢コンピュータを
構想する大学助手。彼が父の遺品に石川啄木の未発表小説を発見したとき
我々の脳に刻印されていた禁忌の謎が次第に明らかに…。
日本人の“正体”に気づいてしまった啄木の、そして彼の運命は。


”幻象機械”という魅力的なモチーフに石川啄木を組み合わせています。
作中のセリフ
「日本人がどうしても好きにならずにはいられないような要素が、啄木に
は揃っているような気がするんですよ。漂泊、貧困、恋愛、報われない天
分、死病・・・」
と死後、急激に人気を経ていったことについて触れます。
また、

落日の山の麓に横たはる活きしことなき神の屍

かく弱き我を生かさず殺さざる姿も見せぬ残忍の敵

といったイメージとは異なる歌を詠んでいたりする石川啄木。

虚実入り乱れているのでしょうが史実を繋ぎ合わせ、
幻象機械による脳の解析ともリンクさせSF解釈で一気にまとめます。

これは面白い。表紙画もいい。
SF作家としての山田正紀はやはりスゴイ!

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魔境物語

『魔境物語』
山田正紀
魔境物語 (徳間文庫)
魔境物語 (徳間文庫)


インドのヒマラヤ山中に、釈尊が生前に説いた教えをいまだ保持し続けて
いる一族がいる―明治の半ば、この話に魅せられた仏教研究家・山形孝平
は「幻の民族」を求めて人跡未踏の地へと赴く。が、そこは彼の想像も及
ばぬ世界であった(「まぼろしの門」)。他に、アマゾンの奥地に潜む謎の
生物の物語など、人類を拒絶し、頑ななまでに純粋さを保ちながら存在し
続ける「魔境」を描く、冒険秘境問題作2篇。


魔境を舞台とした中編2作収録ですが「魔境物語」という作品は無い。

「まぼろしの門」
これはすごい。なにしろ中途半端に終わる。
せっかく目的地らしき桃源郷の入り口についたあたりで
トラベルに巻き込まれ主人公はケガ。もう一人は救援のため一旦戻る、
というところで終わり。
「まぼろしの民族」も「釈尊の教え」も何も展開されず終わる。
山田正紀本人、途中で終わっている作品が多い、というコメントを
よくしていますがコレそうなんでしょうね。
たぶん途中で飽きたんでしょう。
クセのありそうな登場人物だったのが後半から平坦になってきてたり
してました。

「アマゾンの怪物」
これは完結してました。よかった。
魔境+冒険+SF+企業小説をぶち込んだ感じでした。

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火神を盗め

『火神を盗め』
山田正紀
火神(アグニ)を盗め (ハルキ文庫)
火神(アグニ)を盗め (ハルキ文庫)


古代、インド=ヨーロッパ人が崇拝していた神にちなんで名づけられた、
最新鋭の原子力発電所―火神「アグニ」。
日本の商社からセールス・エンジニアとしてインドへ出張していた工藤篤
は、偶然「アグニ」のある秘密を知ってしまう。ヒマラヤ山中の鉄壁の
要塞に隠された「アグニ」の秘密をめぐる、CIA、中国情報員との壮絶
なる死闘に巻き込まれて行く彼の運命は果たして…。
緻密な構成と迫真のディテールで描く超冒険小説。


大デタラメ小説(←褒めてる)

・原子力発電所内のCIAの陰謀に一介のサラリーマンが気づく。
・命をプロ殺し屋狙われるも軽く逃げ切る。
・原子力発電所内の陰謀のネタ(爆弾)を取り除けば殺されないと思う。
(↑なぜそう思うのかは全く分からなかった)
・実際に行く

一緒に行くのはダメサラリーマン達。
冒険小説でもありサラリーマン応援小説でもあるのかも知れません。
でも各国殺し屋が跋扈する地へ会社命令でいくのです。
断れよ。

通常では絶対不可能なミッションを奇抜なアイデアで乗り越えて
いくのですが、その活躍は4章ある中の第4章からスタートします。
もうちょっとここから書き込んでいけば良かったのに。

この潔さがよいテンポに繋がっているのかも。

実際はいろんな箇所で興味を引き付けられる展開があり、
これが小説としてのテクニックなのでしょうがやはり面白いと思います。

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サブウェイ

『サブウェイ』
山田正紀
サブウェイ (ハルキ・ホラー文庫)
サブウェイ (ハルキ・ホラー文庫)


「地下鉄の電車に乗っている人間、ホームにたたずんでいる人間の何人か
は、必ず死んだ人間なんだそうですよ…」
地下鉄職員の同僚岡田に話しかけられた島崎は、ホームの端にありえない
ものを見てしまう。その母子の姿はこの世とこの世ではないどこかに二重
にぶれていたのだ…
都会の暗部、孤独の雑踏にひそひそとはびこる都市伝説をテーマに
鬼才が描く、せつなく、哀しい、書き下ろしホラー小説の傑作。


複数の登場人物の視点から、彼らを取り巻く死の記憶が語られます。
それらが絡み合う事もないためストーリー性は希薄です。
私にとっては珍しく山田正紀としてはノレなかった作品です。

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こういうこともある。
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電脳少女―アイドロイド・ユイ

『電脳少女―アイドロイド・ユイ』
山田正紀
電脳少女―アイドロイド・ユイ (光風社ノベルス)
電脳少女―アイドロイド・ユイ (光風社ノベルス)


極度に発達した“メディア”が支配し、現実と疑似現実が錯綜する近未来
都市・東京では、麻薬テクに溺れ、罪悪感をなくした若者たちが犯罪を繰
り返していた…。電脳少女・ユイは、超人的パワーとアイドル並みのルッ
クスで、麻薬テク組織の壊滅へと乗り出すが、彼女の行手には次々と強敵
が出現して…。鬼才が贈る近未来アクション長編。


当然全部の山田作品を知っているわけではありませんが、
これは全く知りませんでした。
出版社である光風社というのも知りませんでした。

さて本作は1993年の発表です。
プロローグで自殺をした少女がアンドロイドの電脳少女・ユイとなり
麻薬テク(テクって何?)の壊滅に乗り出します。

1993年に想像力の限りを尽くして書かれたであろう電脳世界。
文章はサイバーパンク的ににカタカナ語で埋めつくされていますす。
個々に読解していくのもキツイので雰囲気を味わいます。

物語が動きだすともう山田正紀ならではの疾走感で止まらない。
完全にB級作品のノリであり面白いんだよなあ。

最終段階では電脳少女の生まれた経緯と麻薬テク組織と”メディア”
の関連性が語られ、単なるアクションで終わしません。

ラスト1行も意外な展開でありながらもよいと思いました。

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