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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

虹の歯ブラシ

『虹の歯ブラシ』
早坂吝
虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)


上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。
殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、
隣人のストーカーによる盲点をつく手口――
数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。
その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリは新たな扉を開く!


虹の七色(紫、藍、青、緑、黄、橙、赤)を表題とした
連作ミステリです。
主人公がアレなもんでどうかと思っていると
意外な位に本格ミステリで驚きます。
まあバカミス(褒めているほう)なんですが。

真夜中に読み始めあっという間に読了。ハマってしまいました。

さて後半、「橙」でなにやらおかしな運びとなり、
ラストの「赤」でもはやなにがなんだかわからない展開が待っています。
多重解決の上をいくとんでもない内容です。
うまくいっているかどうかはさておき驚きます。

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表紙はこれですね。ピンク・フロイドの『狂気』
狂気
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硝子のハンマー

『硝子のハンマー』
貴志祐介
硝子のハンマー (角川文庫)


日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の
役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、
有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。
凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、
続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。
青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、
密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。


このシリーズの存在は知っていましたがやっと読みました。
都会のビルの厳重なセキュリティの中での事件、
とケレン味がないのでどんなもんかと思いましたが面白かった。
文庫本で600ページ近い大作ですが一気読みです。

いかにセキュリティ網を潜り抜けたのか、に焦点をあて
推論、時に実験をしていく様はスリリングです。
(ここらへんはハウダニッットの面白さ)
前半は事件発生から探偵役による推理までで、
探偵役の一人、榎本が真相に気づくところで終わります。

後半はガラッと変わり(結果的には)真犯人側から犯行模様を描きます。
倒叙ミステリでかつ、その人物が一体誰なのかは途中まで分かりません。
”意外な犯人”という面白さもありました。

実は裏家業に手を染めているらしい榎本とそれに気付いている青砥純子
の掛け合いも面白い。
いいキャラクターです。

シリーズの他の作品も読むしかない。

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しかし、この『硝子のハンマー』という題名。かなりアレです。
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扼殺のロンド

『扼殺のロンド』
小島正樹
扼殺のロンド (双葉文庫)


女は裂かれた腹から胃腸を抜き取られ、
男は生じるはずのない高山病で死んでいた。
鍵のかけられた工場内、
しかも扉の開かない事故車で見つかった二つの遺体。
その後も男女の親族は一人、また一人と
「密室」で不可解な死を遂げていく――。
読み手を圧倒する謎の連打と、想像を絶するトリックに
瞠目必至の長編ミステリー。


「密室」三連発ですが一発目がど派手です。
扉の開かない事故車で見つかった二つの遺体は
一人が腹を抉られており、もう一人はなぜか高山病に罹っていた。

このぶっ飛んだ謎もかなりの力技で解決します。
大技トリックの面白さと作品構成上のワザもあり
本格ミステリの面白さを堪能させてくれます。

なんでも作者は「詰め込みすぎミステリー」との称号を
得ているようです。
『武家屋敷の殺人』もたしかにそうだった。
もっと読んでみたい。

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めんどうみてあげるね

『めんどうみてあげるね』
鈴木輝一郎
めんどうみてあげるね―新宿職安前託老所 (新潮文庫)
めんどうみてあげるね―新宿職安前託老所 (新潮文庫)


新宿・職安前の託老所は、居場所のない老人たちを日中だけ預かる施設。
そこでは入所者の首吊り自殺が立て続けに発生していた。
警察はボケを苦にした自殺と断定するが、
新入りの中村きんは疑念を抱く。
果してボケた老人が自分で首を吊ったりできるだろうか?
これは他殺ではないのか…。
日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞した表題作を含む、連作短編集。


託児所ならぬ託老所を舞台とした連作短編集です。
とあるアンソロジーで1編目であり表題作の「めんどうみてあげるね」
を読み、強烈な印象を残していたせいでしょう。
作者名は全く覚えていなかったのですが
ブックオフでこの書名が目に飛び込んできました。

登場人物はどんどん変わって(ご高齢ですし)いきますが、
この施設に出入りする就学前の女の子の言動がキーとなっています。

1作目「めんどうみてあげるね」最終作「ひとりでできるもん」は
この女の子の台詞です。

老人問題、介護問題、痴呆問題をテーマにしていて
ユーモラスな語り口調で進むものの、
その分シリアスな場面では余計に心にずしんとくるところがあります。
そして「めんどうみてあげるね」「ひとりでできるもん」という
台詞のコワさも感じられます。

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なかなか見かけない文庫ですので見つけたらすぐ買っておいてください。

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血の季節

『血の季節』
小泉喜美子
血の季節 (宝島社文庫)


青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を
始めた。事件は40年前、東京にさかのぼる。戦前の公使館で、金髪碧眼の
兄妹と交遊した非日常の想い出。 戦時下の青年期、浮かび上がる魔性と
狂気。そして明らかになる、長い回想と幼女惨殺事件の接点。
ミステリーとホラーが巧みに絡み合い、そして世界は一挙に姿を変える。


被告人が語る過去の物語の妖しい雰囲気に引きずりこまれました。
ただ読んでいてミステリらしさも感じず、
主題(だったらしい)の吸血鬼も全く意識していませんでした。

なのでこの被告人が吸血鬼である可能性があるという前提に気付かず
読み進めてしまったのが残念です。
ミステリとしてのキモはここでしたので。
さらにはラストのラストの意味合いもつかめずネットで確認してしま
いました。

良い読み手だったら衝撃は倍増していただろうにと思うと悔しい。
 、
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こんにちは刑事ちゃん

『こんにちは刑事ちゃん』
藤崎翔
こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)


ベテラン刑事・羽田隆信は後輩の鈴木慎平と殺人事件の捜査中、
犯人に撃たれ殉職した―はずだった。
目がさめると、なんと鈴木家の赤ちゃんに生まれ変わっていた!?
最高にカワイイ赤ちゃんの身体と、切れ味鋭いおっさんの推理力で、
彼は周囲で巻き起こる難事件に挑む!
笑って泣ける衝撃のユーモア・ミステリー、誕生!


たぶんこの紹介文の内容でのみの知識で合ったら読まなかったハズ。
ユーモア・ミステリーという響きがどうも。
しかし他の作品のこの作者を知っていたので興味を持ち読みました。

まずユーモアの部分では他の作品での黒さが抑えられなかなかいい感じ。
リチャード・ギアのくだりが可笑しい。

また伏線の張り方が上手い。
本作は一般的なミステリのフォーマットであり、
さらには作者の得意技なのか意地なのか伏線だらけなのですが
”リチャード・ギア”も伏線が効いたギャグでした。

読後感は良かったですが、羽田隆信のその後が心配です。
キツイ1年になりそうですね。

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夏服パースペクティヴ

『夏服パースペクティヴ』
長沢樹
夏服パースペクティヴ (角川文庫)


都筑台高校2年生にして弱小映研部長の遊佐渉は、
気鋭の映像作家・真壁梓が夏休みに企画した撮影合宿に参加することに。
しかし、キャストの女子生徒が突然倒れ込む。
なんとその胸にはクロスボウの矢が深々と突き刺さっていた。
セミドキュメンタリーの撮影現場で起こる虚構の殺人が、
いつしか本物の惨劇へ。交錯する思惑、驚愕のトリック、慟哭の真実。
“美少女”探偵・樋口真由が、難攻不落のクローズド・サークルに挑む!


だめだ。
ミステリであるかどうかもわからないくらい本作を理解できてない。

全作「消失グラデーション」が印象に残っていたから
シリーズ2作目の本作を手に取ったのでしょうが・・・。

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読むときのコンディションの影響もあるかも。
すみません。

でも解説の杉江松恋さんはあまりに褒めすぎているとは思う。
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リケジョ

『リケジョ』
伊予原新
リケジョ! (角川文庫)


貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師
をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕って
くる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!


軽い感じの日常の謎ミステリか。
リケジョの律と理緒はきっと可愛いんだろうなあ、
と思いつつ読んでました。
でもどっちもリケジョなので
どっちがどっちかわからなくなったりします。

科学系の言葉やペダントリーが出てくるのが楽しい。

全編ミステリ度は低いが『虹のソノリティ』だけは殺人事件が絡む。
しかも前代未聞といったアリバイトリックがでてきます。
かなり専門性の高いトリックです。
こんな事があるんですね。

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知らない作家でしたが「磁極反転の日」という作品を買い、
それを読まないうちに本書を購入し先に読んでしまいました。
一回、意識するとその作家名が目に飛び込んできますね。


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殺意の対談

『殺意の対談』
藤崎翔
殺意の対談 (角川文庫)


人気作家・山中怜子と、若手女優・井出夏希。
新作映画の原作者と主演女優の誌上対談は、表向きは和やかに行われた
のだが、笑顔の裏には忌まわしい殺人の過去が…。
同様に、ライバル同士のサッカー選手、男女混成の人気バンド、
ホームドラマの出演俳優らが対談で「裏の顔」を暴露する時、
恐るべき犯罪の全貌が明らかに!?
ほぼ全編「対談記事+対談中の人物の心の声」という
前代未聞の形式で送る、逆転連発の超絶変化球ミステリ!


面白い。
「対談記事+対談中の人物の心の声」というフォーマットで語られる
表と裏の顔。
まずはこの表の部分がいかにも雑誌の対談っぽくてニヤリとさせられる。
いかにもこんなこと喋ってるよなあ。
しかも設定が妙に本当っぽい。
例えば男女混成人気バンド、の章で語られるバンドメンバーは
ボ―カルのSHIORIとベースのMAKOTOとギターのLICKで
サッカーW杯のテーマソング『アセトナミダ』が
初のオリコン1位という設定。
いかにもいそうです。

こういった細かいリアルさに支えられることで
裏の顔が余計リアルで怖い。

ミステリとしては各エピソードが交叉し所謂伏線回収の面白さもある。
そのまま一気に破滅へ突き進む。

笑いとブラックさが共存した面白い作品でした。

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がん消滅の罠 完全寛解の謎

『がん消滅の罠 完全寛解の謎』
岩木一麻
【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)


日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する
森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。
夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で
生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、 それどころか、
その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。
同様の保険支払いが4例立て続けに起きている。
不審を抱いた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の
羽島とともに、調査を始める。


『このミス』大賞作

今まで医療ミステリーというジャンルはあまり読んでいなく
どういった内容になるか全くわからなかったのですが、いやはや面白い。
ガンが消滅する謎も、内容は理解しずらいもののなんとなく納得。
ミステリというよりサスペンス風に展開していくところや
謎が謎だけにSF的?な決着をつけるしかないと思いきや
きちんとミステリ的決着になっていたのに驚きました。
(『このミス』大賞なのでミステリで当然ですが)

作中は医学用語とその説明がこれでもかと出てきて
ペダントリー好きとしてはそこも魅力(もちろん中身は理解していない)

当然単発作品ですが、あたかもシリーズものかのように
探偵役側の周辺に各種人物が配置されています。
これはシリーズ化を狙っているのか。

とにかくすんなりと物語に入れてリーダビリティも高い。
がん消滅と”先生”が暗躍する医療団体の2本立てで読ませます。

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新聞広告で見て中身は面白そうだが題名がひどい、と思っていましたが
応募時の題名は『救済のネオプラズム』らしい。
確かにこの題名だとわかりづらいが『がん消滅の罠』とはねえ。

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