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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

花の下にて春死なむ

『花の下にて春死なむ』
北森鴻
花の下にて春死なむ (講談社文庫)


年老いた俳人・片岡草魚が孤独死した。
彼と親交のあったフリーライターの飯島七緒は
草魚の死の真相を追ううちに、彼の故郷の山口県で起こったある事件に
たどりつく――。
三軒茶屋にある小洒落たビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤哲也が、
人生の悲哀に満ちた小さな事件の謎を解き明かしていく、
全六編の連作ミステリー。


毎度お馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。
でもミステリとしてはかなりアバウトながしました。
かなり強引な解釈で物語は終わります。
(作品上でもその推理の検証はされていません)

しかし本作はそういったものとは違う処で読まれているんだなあ
と感じました。
湿り気のある文体もいいですし、マスターと常連のやりとりは楽しい。

連城那智シリーズで知った作家さんですが
本「香菜里屋」シリーズ、全部読みたくなりました。
「連城那智」シリーズも。

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華麗なる醜聞

『華麗なる醜聞』
佐野洋
華麗なる醜聞 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)


中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に
興味を持った。
日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。
彼の意を受けた記者の調査は未解決の連続爆弾事件と結びついた。
ハイ・ホステスとは。爆弾犯人は。
記者の取材本能が事件の核心に迫っていく。


毎度お馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

新聞記者がネタを追っていく姿が描かれています。
謎解きものとしてのミステリ度はかなり薄いのですが
”ハイ・ホステス”というキーワードを丹念に追っていく様は
地味ながら面白い。
佐野洋だからこそこの地味で起伏も少ない物語を
協会賞受賞作までに出来たんでしょう。

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絆 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)絆 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
(2003/06)
小杉 健治

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『絆』

毎度御馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

作者の小杉さんについては何かのアンソロジーで
短編を読んだことがあったかもしれませんが長編は初めてです。


夫殺しの罪で起訴された弓丘奈緒子は、事実関係を全面的に認めた。
だが、弁護人の原島は無実を頑強に主張する。
若い頃の奈緒子を知る法廷記者にも、それは無謀な主張に思えた。
証言と証拠から着実に犯行を裏付けていく検察官。
孤立無援の原島弁護士は、封印された過去に迫る。



法廷記者の”私”の視点で物語は進みます。

法廷モノ推理小説ですが、
検察側と弁護士の激しい応酬で話を盛り上げることも無く
淡々と進行します。
中盤からの被告人の過去をあえてさらして
真実を追究していくシーンあたりからは迫力さも増してきます。

”私”の思い出や現在の状況がドラマに絡んでくるなど
構成的にも面白いものがあり大変素晴らしい作品でした。

タイトルは”絆”
深い物語でした。

過去に3回もテレビドラマ化されていてようです。
それらは見ていませんが
安直な出来になっていなかったことを願うのみです。

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金属バット殺人事件

金属バット殺人事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)金属バット殺人事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
(1998/11)
佐瀬 稔

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『金属バット殺人事件』
毎度御馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

が、本作はミステリではなく、またミステリの評論でもありません。

あの金属バット殺人事件を追ったノンフィクション作品です。

普通の家庭の普通の青年がなぜ犯行に及んだかを丁寧に追っていきます。

この事件は実父母を殺害するというショッキングな事件で
当時まだ私も小学生か中学生ごろだったと思いますが
犯人が連行される映像やその顔、名前など繰り返しの報道で
いまだ頭にしみついています。

近年、さらに猟奇的な事件も相次いで起っていますが
興味本位でなく、なぜ犯罪を犯してしまったのかを解明していく事って
必要です。

事件の大きさや残虐さから目を背けてしまいそうですが
事件背景を知っていくためにもこのようなノンフィクションは
読まれ続けるべきだと思いました。

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龍は眠る

日本推理作家協会賞受賞作全集〈67〉龍は眠る (双葉文庫)日本推理作家協会賞受賞作全集〈67〉龍は眠る (双葉文庫)
(2006/06)
宮部 みゆき

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『龍は眠る』


嵐の晩だった。
雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、
道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。
何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。
「僕は超常能力者なんだ」。
その言葉を証明するかのように、
二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。
それが全ての始まりだったのだ……


毎度御馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

面白い。

宮部みゆきさんの素晴らしいところは
ストーリーが面白くそこだけでも凄いのに
登場人物の台詞、独白等に名フレーズが連なって出てくるところです。

人生の哀しみを切り取ったかのようなフレーズには
ぞくぞくっとさせられます。

また登場人物像がはっきりと書き分けられていて
文章もわかりやすいので間を空けて読んでもすぐに作品世界に戻れます。

と、多くを読んでいるわけではありませんが
”宮部みゆき”読んで外れなしの一大ブランドですね。

アンソロジストとしてもいい味の作品を編んでおり
その解説もステキです。

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ソリトンの悪魔

ソリトンの悪魔(上)ー日本推理作家協会賞受賞作全集(84) (双葉文庫) (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)ソリトンの悪魔(上)ー日本推理作家協会賞受賞作全集(84) (双葉文庫) (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
(2010/06/10)
梅原 克文

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『ソリトンの悪魔』


日本最西端に位置する与那国島の沖合に建設中の“オーシャンテクノポリス”
その脚柱が謎の波動生物の攻撃を受け、
巨大海上情報都市は完成目前で破壊されてしまった。
とてつもない衝撃は、近くの海底油田採掘基地“うみがめ200”にも
危機的状況をもたらす。
オイルマンの倉瀬厚志は基地を、そして遭難した娘を救出するため、
死力を尽くすが…。




毎度御馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

文庫で上下巻のかなりの分量ですが
この作家は以前『カムナビ』『二重螺旋の悪魔』を
大変楽しく読んでいたので期待大です。

ところが”推理作家協会賞”というのと出だしの展開から
てっきり企業内部抗争に関わる話だと勘違いして
長い間積読状態でした。

いざ読み始めると・・・
これはミステリではなくSFでした。
しかも大法螺ふきまくりでスピード感溢れて
冒険小説としての面白さも併せ持つスケールの大きな作品でした。

ハードSFとして、科学技術や物理的な話がでてきてハッタリ充分なところ
奇想SFとしての大法螺もあわさり
なんだかよくわからないがスゲーっといった感じで読み終えてしまいました。

このような作品が割と地味なミステリに与えられる賞(というイメージ)の
”日本推理作家協会賞”を受けていることが不思議な気もしますが
実は小松左京氏のあの『日本沈没』もこの賞を受賞していました。

まさに『日本沈没』を受け継ぐ作品なんだなーと思っていたら
この受賞には選考委員であった小松さんの強い推しがあったようです。

その後の作品があまりでていない作家ですが
是非またこんな作品を読んでみたいです。

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孔雀の道

孔雀の道 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)孔雀の道 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
(1996/05)
陳 舜臣

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「孔雀の道」

毎度御馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

英国人の父と日本人の母とのあいだに生まれた日英混血女性ローズ・ギルモアは、13年ぶりに日本の地を踏んだ。
5歳のとき神戸で起こった母の焼死事件の真相を知ろうとしたが、関係者の反応は不可解なものだった。
やがて、亡き父を巻き込んだ戦前のスパイ事件の影が浮かび上がる。


という事でいろいろ当時の社会情勢がわかっていないと読むのが大変なスパイものかと思い
読んでいなかったのですが、
このスパイ事件そのものは物語の核ではありませんでした。

それほどストーリーに複雑な展開を持たせないで
すこしづつ物語の全体像が見えてきたり、
登場人物もエキセントリックな人物など配さないところなど
地味ながら良い作品と感じました。

これはこの時代の新しく強い母と娘の物語であったようです。

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海の牙

海の牙 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)海の牙 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
(1995/11)
水上 勉

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毎度御馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。
今回はいままでもちょこちょこっと読んできた水上勉です。

熊本県水潟市に発生した恐るべき「水潟病」。
原因は工場廃水中の有機水銀と推定されたが、調査に訪れた東京の保健所員結城が行方不明に。
大学教授とその助手と称する怪しい二人組と、結城の妻郁子の不審な行動…。
探偵好きの医師が刑事とともに調べはじめる。
問題作を再び。


「水潟病」で察せられるとおり、
本作は御覧のように水俣病をテーマにした社会派ミステリで、
昭和34年発表の「不知火海沿岸」をベースに昭和35年に発表されました。

昭和34年というのは水俣病は「水俣奇病」という呼び名で、
工場廃液がその原因かどうかもまだはっきりとしていない時代だったようです。

そんななか水上氏は現場へ取材に行き
工場廃液が原因であると確信し本作を執筆するに至ったとの事。

この奇病に苦しむ人の姿や
調査ノートの形を借りた病例の提示など
かなり生々しい姿が描かれています。
そんなところの比重が大きいせいでもあるのでしょうが
ミステリとしては面白みにかける部分はあるとは感じました。

しかし社会派ミステリとしての
世の中へ与えたインパクトはあったようで
こんなの所へもミステリというジャンルの存在の大きさを感じました。

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腐食の構造

腐食の構造 日本推理作家協会賞受賞作全集 (26)腐食の構造 日本推理作家協会賞受賞作全集 (26)
(1996/11)
森村 誠一

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腐食の構造
毎度お馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集です。

学生時代かなり森村さんの作品は読んでいましたが
これは初めての作品でした。

山岳描写で始まり
政界と企業の暗部を描いたり
そこに核燃料の問題絡めてみたり
ホテルでの密室とも言える状況の殺人をいれたりと
いろいろな要素を投入した重厚な作品です。

飛行機事故で消息がわからなくなった雨村の消息を
その妻が追いかけるのがストーリーの大きな流れですが
サスペンスあり男女のいろんな部分?ありと
ここらへんも森村さんらしいところです。

600頁近い大作ですが
謎の提示と人間関係もつながりが少しづつ見えたりと
全く飽きさせない展開で一気に読んでしまいました。

売れる作家ってのはやはり読者をひっぱっていくのがうまいんですね。

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文庫裏の紹介文の登場人物名が 雨村でなくて雨宮と誤記になっています!


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夢野久作・迷宮の住人

夢野久作・迷宮の住人 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)夢野久作・迷宮の住人 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
(2004/06)
鶴見 俊輔

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毎度お馴染み日本推理作家協会賞受賞作全集ですが
本作は小説ではなく評論です。

怪奇幻魔探偵小説『ドグラ・マグラ』で知られる夢野久作の
人物像、作品を取り上げています。

かなり難しい内容なので飛ばし読みでしたが
夢野久作の作品をこのように表したのが印象的でした。

ひとすじの放物線のように、一つの領域をかこいこみ、
そこにてらしだされている今の自分をつつみこむ放物線外の闇を感じさせる。


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