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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

検事霧島三郎

『検事霧島三郎』
高木彬光



若きエリート検事霧島三郎は、弁護士の娘竜田恭子との結婚を間近に
ひかえていた。ところがその父、竜田慎作に愛人絞殺、加えて麻薬所持
の疑いがあるというのだ!?“検事の妻が殺人犯の娘であってはならない
”苦悩する三郎をよそに続発する第二、第三の殺人。失踪する竜田の
捜索は病的な麻薬中毒者の世界へと広がる…。検事の活動とその人間
葛藤を具に描き出した社会派推理の傑作。


角川リバイバルコレクションというシリーズの中の一冊です。
作品としてよりこの”本”の魅力で買いました。

主人公である検事霧島三郎の婚約者の父が殺人と麻薬に関与しているら
しい、さてどうするという設定の作品であり、謎解きよりも、検事の立
場と婚約者の立場で葛藤する主人公の姿をメインに据えた内容です。
正直なところまどろっこしい。解説の夏樹静子さんは、この婚約者が事
件を通して成長していくところを評価していたが全くそれは感じません
でした。
高木彬光のもともとの質からくるものなのかそういう時代なのか、登場
人物は、検事サイドの人間であっても裏に何かありそうに感じられてし
まいました。すべての人物がなにか企んでいるのではと思って読み進め
たのは初めてです。
そんなわけでミステリ的にもいまいち乗り切れず、いつまでたっても自
立できない婚約者(小説上もっと活躍させられる筈)の鬱陶しさ、誰も
”意外な犯人”になりえないような雰囲気あり500頁を超える長編を読み
終えるのに結構時間がかかってしまいました。

またどうにも見え隠れしてしまう著者のエリート意識のようなものが
読み進めながら感じてしまったのも物語に没入できない要因でした。

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エラソーにすみません。
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大東京四谷怪談

『大東京四谷怪談』
高木彬光



「現代版四谷怪談」を書き下ろす劇作家のもとに、お岩を名乗る女から
執筆を中止せよと再三脅迫電話がかかる。そして、その言葉を裏付ける
ように、お岩の蝋人形を制作中の職人が殺害された…
これが、四谷怪談をなぞる連続殺人の幕開けだった。陽気な未亡人こと
私・村田和子は、謎の名探偵・墨野隴人と共に事件解決にのりだすが―?
格をきわめて格を破る、本格、変格ならぬ、破格探偵小説。


本格、変格ならぬ、破格探偵小説というフレーズのみ興味を持って
読んでみました。

”真相”章までが本格探偵小説で、最終章の”もう一つの真相”で
破格探偵小説にかわるという趣向です。
ディクスン・カーの名作『火刑法廷』の乱歩との評価の相違があり
評価する立場の高木氏がその趣向で書いたのが本作のようです。

探偵役が隅野隴人(すみのろうじん)というあたり、破格に至るまでで
本格探偵小説宣言をしているような感じですが、ちょっと残念な内容。
滑り出しはよかったものの後はちょっと退屈で、大御所には失礼ながら
眠りを誘う内容でした。
この本格部分がシャープにまとまっていれば破格の部分が活きたのに
と思ってしまいました。
重ね重ね失礼しました。

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神津恭介、密室に挑む

『神津恭介、密室に挑む』
高木彬光
神津恭介、密室に挑む―神津恭介傑作セレクション〈1〉 (光文社文庫)
神津恭介、密室に挑む―神津恭介傑作セレクション〈1〉 (光文社文庫)


眉目秀麗、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、
神津恭介。彼が挑むのは密室トリックの数々。鍵の掛かった部屋の外に
残された犯人の足跡、四次元からの殺人を予告する男…。
不可解極まる無数の謎を鋭い推理でクールに解き明かす!
いつまでも燦然とした魅力を放つ神津恭介のエッセンスを凝縮した
六つの短編を収録。傑作セレクション第一弾。



「白雪姫」

「でも足跡の点は・・・・」
「そのような消極的な反証は、一時間もあれば粉砕してお目にかけます。」


お馴染み、雪上に足跡がない離れでの殺人。
神津恭介は言葉どうり簡単に粉砕しました。
そのトリックは、いまでいうところのバカミス的なネタ。
どうも神津モノとあわない気もするなあ。あれはないだろう。
本作はさらに密室にするための施錠のトリックや双子や
妖しげな美女を配した作品です。
機械トリックはちょっとアレですが、双子の扱い方などさすが面白い。


「月世界の女」

「一高時代にみんなは、あなたの事を何と言っていたと思います。
アイスマン、氷人と言っていたんですよ・・・・」
と言われてしまう神津恭介

「鏡の部屋」
真犯人にハッタリをかます神津恭介。
庶民派コロンボみたいこともやります。

「黄金の刃」
四次元の殺人・・・ハッタリを効かせてます。
神津恭介ものとしなければ怪奇探偵小説になりそうな感じ

「影なき女」
3回行われた密室殺人。
その後ようやく神津恭介登場。
構成の妙という作品。


以上の作品において高木彬光さんは
密室の機械トリックについてはほとんど重きを置いていないように
感じました。また密室の必然性についても無視しているのか考慮して
いないのか、作中でもその説明はありませんでした。
これは不思議。

「妖婦の宿」
既読なので今回は読みませんでしたが名作の誉れ高い作品です。

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刺青殺人事件

『刺青殺人事件』
高木彬光
刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)
刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)


野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。
艶美な姿に魅了された元軍医・松下研三は、誘われるままに彼女の家に
赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。
それは胴体のない密室殺人だった―。謎が謎を呼ぶ事件を解決するため、
怜悧にして華麗なる名探偵・神津恭介が立ち上がる!
江戸川乱歩が絶賛したデビュー作であると同時に、
神津恭介の初登場作。満を持しての復刊!


既読ですが新装版(これに弱い)ということで買いました。

刺青という題材も含め重い雰囲気の作品です。
昭和23年発表という時代の重さもあるんでしょう。

密室、バラバラ殺人、とまさに探偵小説の意匠に溢れています。
なんとなく覚えていた密室のトリック。
推理を披露する登場人物に、トリックはなんとでもなるのでしょうが、
といわせたり、機械トリックを重視していないところが面白い。
この時代にすでにこのような考え方が出来ていたんですね。
機械トリックが破られたのちに作られる心理トリックがポイントです。

後半ようやく神津恭介が登場したあたりから展開も早くなり
最後のお約束の名探偵が推理を披露する場面は圧巻です。

かなり古い作品ですが、やはり古典の傑作というのはいいですなあ。

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