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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

壊れかた指南

『壊れかた指南』
筒井康隆



タバコの煙で空中浮遊できるようになった男の悲劇。
極端に口べたな編集者の驚くべき末路。
無類の読書好きが集まって送る夢の生活。
奇妙な味わいの短篇から、一瞬で終わるショートショート、
とんでもない展開のスラップスティックまで。
天才のあくなき実験精神とエンターテインメント精神が融合した全30篇。


短編とショートショートで構成された1冊です。
どういった媒体で発表されたか等の情報が全くないのでわからないので
すが、断筆宣言後、ワープロをやめて、一時的?にか手書きに戻った頃
のようで、手書き原稿に喜ぶ編集者、といった一文が何か所かあります。
内容はオチのない話ばかりで、なぜあえてこうしたのか、という所が気
になり、やはり書誌的情報は欲しいです。

書名は『壊れかた指南』ですがこのタイトルの作品は収録されておらず
オチのない作品=壊れたという意味合いでの書名なのでしょうか。

「漫画の行方」「犬の沈黙」「鬼仏交替」など筒井っぽさがある作品
は当然あり面白い。しかし大半は「耽読者の家」「逃げ道」など何も
起こらない内容に逆に薄気味悪さを感じる。
この薄気味悪さ=壊れかたなのかも。

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おそらくツツイストであろうと思われる方が書いた解説も壊れている
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ロートレック荘事件

『ロートレック荘事件』
筒井康隆



夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘
たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンス
が始まったかに見えたのだが…。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。
一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ
者は?動機は?推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。
前人未到のメタ・ミステリー。


作品紹介にメタ・ミステリーと記載があるので
そういう作品である事を前提としたレビューです。
昔一度読んでいるので、こういうネタだったのではないかと
思い出しながら読んでいたのですが、それよりはシンプルでした。
私はもっととんでもないネタだとと記憶していたのですが
それこそ前人未到のまだ誰も書けえなかったメタ・ミステリーだと。

さて本作かなり初期のメタ・ミステリーではあるようで、
いま色々なメタ・ミステリーを読み込んでいる読者だと、
本作についてそれほど大したことないなと感じてしまうかもしれません。
またミステリを読みなれていない読者ならアンフェアだと怒るでしょう。
ここがジレンマで、メタだとわからせる紹介文はそれだけで驚きを半減
させてしまうし、逆にそれをしないと手に取ってもらえないかもしれぬ。
また”メタ”は先行作品を下敷きにしてさらにパワーアップしていく形態
なので、後発で驚くと先行は弱い。
いろいろ難しいものです。

あっ、作品に話を戻すと、筒井さんはフェアであろうとするためか
これはメタ作品の可能性があることを読者に匂わせる展開をしており
当時は一般的でなかったこの形態を丁寧に取り扱っています。
それは後半の真犯人の告白に現れる注記(何ページの何行が該当か示す)
にあるように作品の仕掛け部位を丁寧に掲示しています。
いまではこんなことは無いのでしょうが当時はこうでもしなければ
メタの仕掛けを理解しない人は全くちんぷんかんぷんのまま
読了してしまったのかもしれませんね。

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さて、本書、仕掛けがわかった時点で、序盤に出てくる
”ロートレック荘2階平面図”を必ず確認してしまうと思うのですが
これは巧い。よく考えるとフェアだ。考え抜かれています。
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読書の極意と掟

『読書の極意と掟』
筒井康隆



作家・筒井康隆、誕生の秘密。
戦時中にひとり疎開した幼少期、演劇部で活躍した中高時代、
不本意な営業に配属された新入社員時代、いつも傍らには本があった。
いずれ小説を書くとは夢にも思わず、役者になりたかった青年を
大作家にしたのは“読書”だった。
小説界の巨人が惜しげもなく開陳した自伝的読書遍歴。


幼少期からはじまり自らの読書遍歴を綴る。
その本の内容はもちろんだが、読んだ際の自分の状況をも語っている。
結果的には本を通して自分の半生を語っていた。

まさに本が自分の血となり肉となりあの筒井康隆が出来上がったのだと
感銘を受けてしまう。

それに引き換え自分の読書は何だ。
読んで、ああ面白かった、で終わっている。
内容の紹介もろくにできず自分の人生に何も影響を与えない。
これでいいのか!

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まあいいんです。
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筒井漫画瀆本ふたたび

『筒井漫画瀆本ふたたび』
筒井漫画涜本ふたたび


巨匠にして天才、筒井康隆の小説を16人の人気マンガ家がコミック化した、
超絶アンソロジー・堂々の第2弾! ドタバタにSF、ホラーにファンタジーと、
いま新たによみがえる傑作名作短篇のみだれ撃ち、
めくるめくツツイ・ワールドをご堪能あれ!


【収録作品】
◆明智抄「幸福ですか?」
◆いがらしみきお「北極王」
◆伊藤伸平「五郎八航空」
◆折原みと「サチコちゃん」
◆雷門獅篭「落語・伝票あらそい」
◆菊池直恵「熊の木本線」
◆鈴木みそ「あるいは酒でいっぱいの海」
◆大地丙太郎「発明後のパターン」
◆高橋葉介「ラッパを吹く弟」
◆田亀源五郎「恋とは何でしょう」(『男たちのかいた絵』より)
◆竹本健治「スペードの女王」
◆とり・みき「わが良き狼」
◆萩原玲二「弁天さま」
◆畑中純「遠い座敷」
◆みずしな孝之「フェミニズム殺人事件のようなもの」
◆Moo. 念平「うちゅうを どんどん どこまでも」


全て原作は読んでいますが覚えているのは
ショートショートの「あるいは酒でいっぱいの海」くらいでした。

なんとあの竹本健治さんが参加しているのもスゴイ。
とりみきさんは絵といい構成といい上手いですなあ。

こうのような原作競演マンガの企画の場合
漫画家は自由に原作を選ばせているんでしょうか。
「鉄子の旅」の菊池直恵さんが「熊の木本線」ってのは狙っている?


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巨船べラス・レトラス

『巨船べラス・レトラス』
筒井康隆
巨船ベラス・レトラス
巨船ベラス・レトラス


売れさえすれば作者を潰したっていいというのか。
人間を使い捨てにする企業の論理か。
そんな若いやつの小説、受賞した時だけその受賞した本が売れるだけの
ことじゃねえか。
今の状況がなんでも正しいというんなら、
なんでもうすぐ世界が滅びるってことを認めて、それを書かないんだ。
それが現在の文学者のやるべきことじゃないのかい。
現代日本文学の状況を鋭く衝く戦慄の問題作。


裏表紙の
出版界騒然!文壇慄然!読者は呆然!
にグッときました。

2007年の作品ですが、全く知りませんでした。
断筆宣言(もはや知らない人も多いのでは)以降の作品とは
結構疎遠だったので・・・・。

小説(ここではエンターテインメントとは区別)、出版界、作家
をテーマにした作品です。

実験的手法を何度も使用してきた著者だけに、
句点がやけに少ない文章。
人物視点転換でも行を開けない。
登場人物の作家とその作家の小説内登場人物が共存。
「筒井康隆」も登場。
なんてものに驚いてはいけません。

しかしなんだかわからない面白さと小説論があり面白かった。

(売れない)同人誌作家による出版界への恨みつらみ。
ベテラン人気作家達や出版関係者の前衛小説へ想い。
なにやら深いものがありそうですが本作自体は読みやすかったです。

しかし後半の「筒井康隆」の登場とその目的はすごい。
なんなんだあの部分は。

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登場人物の説明に

ホラーを革新的に脱臼させて人気絶頂の作家

とあるがこれも脱臼モノの表現だ。

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モナドの領域

『モナドの領域』
筒井康隆
モナドの領域


著者自ら「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇」と宣言する究極
の小説、ついに刊行! 河川敷で発見された片腕はバラバラ事件の発端と思
われた。美貌の警部、不穏なベーカリー、老教授の奇矯な振舞い、錯綜す
る捜査……。だが、事件はあらゆる予見を越え、やがてGODが人類と世界
の秘密を語り始める――。
巨匠が小説的技倆と哲学的思索の全てを注ぎ込んだ 超弩級小説。


モナドとは作中のGODによればプログラムなんていってました。
早速ウィキペディアでみてみると

プログラミング言語の意味付けにおける完備な意味領域をモジュール性を
持たせた形で分割するための枠組み、ということでGODは枠組みの意で
使用していました。
またライプニッツくんが提唱した哲学上の概念でもあります。

本作とは関係ないけど細野晴臣のレコードレーベル名でもあります。

河川敷で発見された片腕、その片腕を造形したかのようなバケットを売る
ベーカリー、黒目がふらふらと泳ぐ老教授、それらを捜査する美貌の警部
と前半は妖しい雰囲気満載で期待が高まります。
これは絶対、世界が破滅するようなストーリーに違いあるまい!

次章から、これらの事件は老教授に憑依した<神>の存在であることが
わかり、以降はこの<神>GODとの哲学的対話が続いていきます。

そして最後はGOD出現の理由や各事件は世界の綻びを修正するためと
語られ、GODの記憶と記録が抹消され元とはちょっとだけ異なる日常へ
戻っていきます。

ストーリー的には大きな波もなく淡々とした流れで終わってしまい、
また登場人物も悪人が出てこなくこれでいいのか?なんて思ってしまう
ところもあります。
しかし全体的に非常に読みやすく哲学的問答もGODにより平易な言葉で
語られるのでなんかいい感じです。

多元宇宙やパラフィクションなどというキーワードをまぶしつつも
この哲学的思索が本書のキモなんでしょう。ちょっとムズカシイところ
だらけなのですが是非改めて読み返してみたい作品でした。

まだまだ私には語れない。

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実は新潮社の筒井康隆全集を全巻持ってるのが自慢です。
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アホの壁

アホの壁 (新潮新書)アホの壁 (新潮新書)
(2010/02)
筒井 康隆

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タイトルを見てだめだと思った。
養老先生の「バカの壁」をほんの少しもじっただけではないか!
著者名を見てびっくり。筒井康隆ではないか!!
ならばとりあえず買うしかないではないか!!!

たぶんこういう買い方をした人がほとんどだと思われますなあ。

内容は心理学的なネタが豊富な軽い読み物で
実は面白い。

ちょっとしたトピックや随想を読んでいるうちに
このまま虚構の小説世界が立ち上がるのかと思いながら読んでいました。

いままでの作品の中からわかりやすい部分を抽出して新書としてまとめてみました、
といった感じの本でした。

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突然変異幻語対談

筒井康隆と柳瀬尚紀の対談と往復書簡集。

なんとこの対談をひとつの契機として
『残像に口紅を』が出来たようで興味深い。

突然変異幻語対談 (河出文庫)
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恐怖

恐怖恐怖
(2001/01)
筒井 康隆

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もともと筒井康隆のファン(新潮社筒井康隆全集買い揃えていました)ですが
わりと難解な作品が多くなってきた気がしていたのと、
表紙に浮かぶ男の顔が怖いので数年寝かしていました。

これは、
殺人事件に遭遇し、
次第に自分も殺されるのではないかと怯えていく作家の物語ですが
全編笑いに満ちていて一気に読んでしまいました。

動機探し、犯人探しの要素もあります。
ラストの、犯人の自白や、登場人物のその後、は全く普通で、
わざわざ書くことがなかったような気がします。
こういう章立てをつけること事態が推理小説のパロディになっているのでないだろうか、
などと思ってしまいました。

でも久々の筒井康隆、面白くてよかった。

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