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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

キリオン・スレイの生活と推理

『キリオン・スレイの生活と推理』
都筑道夫
キリオン・スレイの生活と推理 (角川文庫)


血まみれの女の死体のそばで、立ちすくんだ男は奇妙な事を口ばしった。
「おれは、この指で刺し殺したんだ!」
死体の傷は明らかに刃物で刺されたもの。
しかも部屋は内側から鍵がかかり、密室を構成、凶器も見つからない…。
事件の謎を追って、アメリカから来た詩人、キリオン・スレイの推理が
冴える。おかしな外人を探偵役に、数々の事件を見事な論理で解明する。


山藤章二の表紙絵と文字がいかにも古い。
これは仕方ないか。
ただカバー以外で”意匠 山藤章二”となっていてこれらは下記の事か?

・目次ページには各短編のタイトルはなく代わりに6つの剣のイラスト
・各短編最初のページにて剣が題名に置き換わる

かなりカッコいいデザインだ。

各短編も小見出しはなく代わりに、?、??、???、????・・・
という記号で段落を区切ったりしている。

こういったところでなかなか楽しい本です。

しかし文章は都筑さんらしい。
会話の言葉が当時の都会のイケてる方の若者ことばなんでしょう。
今となっては古い。

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解説が中島河太郎だが、ちゃんと”解説”しておりこれは珍しい。
あれ解説しないのは権田萬治だったか。そしたらすみません。
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血のスープ

血のスープ <怪談篇> (光文社文庫)血のスープ <怪談篇> (光文社文庫)
(2003/04/10)
都筑 道夫

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『血のスープ』
光文社文庫の都筑道夫コレクション<怪談篇>です。

長編「血のスープ」は
吸血鬼のようななにか(結局よくわからず)に操られる中年男の話ですが
ストーリーはいずれにせよ、エロティックな描写が多いのと
活字の配置による視覚効果(夢枕獏いうところのタイポグラフィック)
を取り入れたりと一風変わった小説です。
冴えない中高年の主人公がだんだん冴えてくるのは作者の願望?

他は短編を併録していますが本領発揮なのはこれらの作品群でしょう。

怪談といってもただおばけを出せばいいってもんじゃない、
という作者の見解を実践した素晴らしい作品ばかりで
強烈なコワさではなく
人間の心の暗い部分をちょっと顕わにしてみました、という感じ。

特に作者もお気に入りの
「はだか川心中」「風見鶏」「人形の家」については


ストーリイがわかったら、もう読めないような小説は、
私は書いていないつもりだ。



というほどの傑作です。

都筑道夫は作品数が多いですが
いまはなかなか文庫でも見かけない(気もするので)
見つけたら買いでしょう。

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怪奇小説という題名の怪奇小説

怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫)怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫)
(2011/01/20)
都筑 道夫

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なんだかくらくらとしてきそうな読後感です。
海外怪奇小説(という設定)とこれを盗作した小説と現実世界が
文章の中で切れ目なく入れ替わっていきます。

章立てもひねくれています


*第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない。

第二章 盗作のすすめ
*第二章が第一章になることの自然のなりゆきについて。

第三章 The Memoirs of an Erotic Bookseller
*こういう題名の本が、Grove Pressから出ているけれど、この第三章とは何の関係もない。

第四章 骨の美について
*第四章の題名には、注釈をつけないことにする。

第五章 五章目
*第五章は五章目で、推理小説ふうに展開して、核心に近づいていく。

第六章 鱗
*この字はウロコと読んで、魚のウロコ以外の意味を持たない単純な文字だが、この第六章のストーリイは、それほど単純ではない。

第七章 穴
*第七章の題は、前章とちがって、さまざまな連想をまねきやすい言葉だが、ここではいちばんそっけなく、地面のくぼみを意味する。

第八章 闇が終わるところまで
*第八章には読者に思い出していただくために、これまでの経過が折りこまれ、ささやかな推理小説論がふくまれている。

第九章 結末あるいは発端
*この第九章で、長らくおつきあいいただいた読者にお礼を申しあげて、私(都筑道夫)は物語をおわるが、物語のなかの私(氏名不詳、現在は都内某病院に入院中)にとっては、おわりではなく、はじまりであるらしい。

本文庫の解説で道尾秀介が本作を「歪な名作」と評しているがうまい表現ですね。
(この”みちお”は都筑道夫のみちおからとったそうです)

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猫の舌に釘をうて

猫の舌に釘をうて (光文社文庫)猫の舌に釘をうて (光文社文庫)
(2003/07/10)
都筑 道夫

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表題作は都筑道夫の代表作です。
物騒なタイトルですがそんなひどいことはしていません。
なにしろ猫が登場していないのであります。

”私はこの事件の犯人であり、探偵であり、被害者・・”という設定であり
私が手記を束見本に残すという構成。
「読者への挑戦」もひねりがありトリッキーな作品です。

この束見本(製本時の本の厚さを確認するための白紙を綴じたもの)を利用したしかけがありますが
さすがにこれは電子媒体では表現しずらいでしょうなあ。

こういう凝った作品って昔からあったんだなあ。

『哀愁新宿円舞曲』は独立した短編集でミステリー度はあまりありませんが
夜の新宿を舞台にした哀愁ある作品から
手紙のやり取りで構成された作品、毒薬をめぐる悲喜劇などバラエティーに富んでいます。

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女を逃すな

女を逃すな (光文社文庫)女を逃すな (光文社文庫)
(2003/12/09)
都筑 道夫

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長編「やぶにらみの時計」を含む都筑道夫の初期作品集です。

「やぶにらみの時計」は
酔いからさめるともともとの自分ではない他人になっていた男の話です。
元の自分を知るはずの妻やその近所の人からは知らない人と言われ、
別の人間として生きているらしい。

こんな状況でなのでてっきりSFかと思っていましたが
途中から謎解きがはじまり
推理小説的になっていきました。
サスペンス、ハードボイルド的な風味もあります。
二人称で書かれているのでちょっと慣れないと(私は)読みづらかったのですが
これには
一人称だと<わたし>が知っていることしか書けない、
三人称だと主人公との距離が開く、
ので二人称を選んだようです。

他表題作はじめ
短編が収録されていますが
これらは、サスペンス+ひとひねり、となっています。

厚めの文庫本ですが、
最近では珍しく一日で読み終えてしまいました。

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