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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

妻に捧げる犯罪/盲目の鴉

『妻に捧げる犯罪/盲目の鴉』(土屋隆夫)
妻に捧げる犯罪・盲目の鴉―土屋隆夫推理小説集成〈4〉 (創元推理文庫)
妻に捧げる犯罪・盲目の鴉―土屋隆夫推理小説集成〈4〉 (創元推理文庫)

「妻に捧げる犯罪」

交通事故で男としての機能を失った女子短大の助教授。
妻は、そんな「わたし」を裏切り、密通の末に愛人と死んでしまった。
やり場のない気持ちから習癖になったイタズラ電話が、ある夜、殺人現場
へと繋がる。わずかな女の声の応答だけから、「わたし」は事件の全容を
推理していくのだが…。犯人も被害者も犯行現場も不明!本格・謎解きの
醍醐味。

ということで
アヤシイ雰囲気満載の序盤、
遭遇した事件を推理していく本格謎解きの中盤、
さらなる事件に巻き込まれサスペンス的な雰囲気の後半、
さらには破滅的な結果を迎えるラスト。
と、なかなか飽きさせない構成で著者自ら本作を”異色”としています。

これは面白かった。
土屋隆夫のイメージは”固い”ですが妙ないやらしさも感じる作品です。

以前の土屋作品を紹介の際、真犯人がまたしても最後に自殺した、なんて
記事を書きましたが本作でもやはり自殺してます。やっぱりな。

「盲目の鴉」

評論家・真木英介が小諸駅頭から姿を消した。数日後、千曲川河畔で真木
の小指の入った背広と“鴉”の文字が見える紙片が発見された。一方、世
田谷の喫茶店では、劇作家志望の水戸大助が「白い鴉」と言い遺して死ん
だ。何者かに毒殺されたのだ。二つの事件の間を飛び交う「鴉」に繋がり
はあるのか?千草検事の推理が真相を抉る傑作文芸ミステリー。

千草検事がでてくる正当派ミステリーです。
二つの事件の接点、真犯人探し、アリバイ崩しと全くもって手堅い構成で
実は私は結構好きです。トリックとか動機には無理があるような気がする
部分はありますがそこはあまり気にせずに読み進めました。

ちなみに本作では真犯人は最後は交通事故に巻き込まれ死亡。
幇助者は自殺と相変わらずの展開です

なんかすごいぞ、土屋隆夫。

巻末の麻耶雄高による土屋隆夫論「間断なき対決」もすばらしい。
本格ミステリとしての技巧やその姿勢について技術的な部分に踏み込んだ
評論になっています。
土屋ミステリの特徴として謎はまとめないで、一点提出したら一点解決し
てまた次の謎を提出するとありました。謎をまとめれば提出すればより複
雑になって最後の解決時に衝撃度が高まりますがその方法はとらなかった
ようです。なるほど構成が地味になるわけがわかりました。

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赤の組曲

赤の組曲・針の誘い―土屋隆夫推理小説集成〈3〉 (創元推理文庫)
赤の組曲・針の誘い―土屋隆夫推理小説集成〈3〉 (創元推理文庫)
『赤の組曲』土屋隆夫

「ビゼーよ、帰れ シューマンは待つ」
謎めいた新聞広告の背後に、美貌の人妻の失踪事件が絡んでいた。
赤の連鎖が導く真相とは?


”謎めいた新聞広告”で物語は始まり、ケレン味たっぷりのミステリ?
と思わせます。

この美貌の人妻は果たして殺されているのか、加害者なのか、
推理も二転三転するところなど、地味な印象の土屋作品の中では
動きがある展開なのかもしれません。

メインのトリックも冴えてこれは面白かった。
しかし真犯人が最後に自殺してしまうのはいつもの展開?。

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作中、初老の刑事に
「ビートルズなんていう、バイ菌みたいな野郎たちを追い回している、
ちかごろの女とは、まるで違う。」
なんて言わせてますが、これは土屋さんの本音?
本作は初版が1966年。
執筆時はビートルズはまだイエスタデイを発表していないあたりか。
微妙な時期です。

せっかくなので


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天国は遠すぎる

土屋隆夫推理小説集成〈1〉天狗の面・天国は遠すぎる (創元推理文庫)
土屋隆夫推理小説集成〈1〉天狗の面・天国は遠すぎる (創元推理文庫)


『天国は遠すぎる』


自殺した砂上彩子の遺書には、死を誘う歌として世間を賑わした
「天国は遠すぎる」の歌詞があった。
翌日、汚職容疑でマークされていた県の土木課長、深見浩一が失踪、
その後絞殺死体で発見される。
自殺に不審を抱いた久野刑事の粘り強い捜査から、
二つの事件の接点が浮かび上がってきた。


ということでこれがイメージ通りの土屋隆夫といったところです。
ひたすら地味。
でもこれがなんというか落ち着く。

本作は長編2作目ということですが
1作目『天狗の面』でのケレン味はなくなり
現実感たっぷりの暗い作風になっています。

さて私が持ってる創元推理文庫『天狗の面/天国は遠すぎる』は
解説を飛鳥部勝則さんが書かれておりその題は

土屋隆夫論 エロティックな船出

いままでそんな風には捉えていなかったけど
なるほど、です。これも読み応えありです。


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天狗の面

土屋隆夫推理小説集成〈1〉天狗の面・天国は遠すぎる (創元推理文庫)
土屋隆夫推理小説集成〈1〉天狗の面・天国は遠すぎる (創元推理文庫)

『天狗の面』

土屋隆夫の長編第一作ということで刊行は1958年(昭和33年)
勝手に都会派のイメージがあったのですが本作の舞台は農村です。


信州・牛伏村にある天狗伝説。信仰を集めたのは、天狗堂のおりん。
天狗講の集まりの日、太鼓の音と呪文の声、天狗の面に囲まれて、
男が殺された。そして連続する殺人事件。
平和な村を乱すのは、お天狗様の崇りなのか。


牛伏村、天狗伝説、といった舞台装置の中
連続殺人、名探偵、探偵小説談義、
さらには、作者曰く的な感じで独白が随時入ってくるなど
ケレン味たっぷりの作風です。

やはりこれ以降の土屋作品ではお目にかかれないスタイルのようです。

最終章についてはさらに凝っています。
前章にて真犯人(らしき人物は)は自殺を遂げているのですが
これに関し作者として

白上矢太郎の推理といえども、
~略~
飽くまで推論と想像を出でない。

と言い切っています。
後期クイーン問題まですでに踏み込んでいるってことでしょうか。

さらには
探偵小説の宿命について語り
有名な”探偵小説とは割り算の文学”

事件÷推理=解決

についても言及しています。

この内容ってエッセイでなくミステリ作品中にて発表していたんだなあ。

結構大胆。

こんな作者独白のあとしらじらしくも
探偵役白上矢太郎の推理披露が始まります。

いやあ。こういったところもあり面白い作品でした。

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