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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

偽りの殺意

『偽りの殺意』
中町信
偽りの殺意 (光文社文庫)

東京から来た教科書会社の営業マンが、吹雪の中、崖から転落死した。
前日の夜に猿ケ京温泉に同宿した若い女と、被害者を恨む男が疑われるが
二人にはそれぞれ強固なアリバイがあった。所轄署の津村刑事はアリバイ
崩しに挑む!(「偽りの群像」)。
死後も新たなファンを獲得し続ける中町信の中短編3編を収録。
絶妙なトリックと共に、にじみ出る情感が味わい深い傑作集。



創元推理文庫で売れに売れた『模倣の殺意』
同文庫では
『天啓の殺意』
『空白の殺意』
『追憶の殺意』
『三幕の殺意』
と”殺意”で攻めてきます。(シリーズものではないんですが)

この創元推理文庫にあやかってか光文社文庫も”殺意”攻めです。
『暗闇の殺意』
『偽りの殺意』

中町信さんの作品はやたらと改題が多いので
もはやオリジナルタイトルは何か分からなくなってきており
本作には「偽りの殺意」という作品は収録されていません。

さて、かなり昔からトリッキーな叙述トリックを駆使したり、
地味なアリバイ崩しがあったりと結構面白いミステリ作家なのですが
残念ながら一般的には知られていませんよね。

本作は地味なアリバイ崩しものですが、特に「急行しろやま」が良い。
幕切れの2行がまた素晴らしい。

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三幕の殺意


『三幕の殺意』
中町信
三幕の殺意 (創元推理文庫)
三幕の殺意 (創元推理文庫)

昭和四十年十二月初旬。名峰、燧ヶ岳が目の前にそびえる尾瀬沼の湖畔に
建つ、朝日小屋。その冬はじめての雪が降り積もる夜、離れに住む日田原
聖太が頭を殴打され、殺された。山小屋には被害者に殺意を抱く複数の男
女が宿泊していた。容疑者の一人でもある、刑事の津村武彦を中心に、お
互いのアリバイを検証してゆくが…。
叙述トリックの名手として独自の世界を築いた著者の遺作。

遺作とのことですが、実は昭和43年に発表された中篇「湖畔に死す」を
東京創元社の戸川安宣氏からの依頼に基づき長編化したものだそうです。

面白い。殺された被害者に恨みを持つものが何人もおり、それらを含む
多数の登場人物に視点が切り替わってきます。途中それ以外の”謎の男”
の視点もでてきて何かあると思わせるところは流石といったところでしょ
うか。
”読者への挑戦”も入っているしね。

さらに帯びには「最後の三行に潜む衝撃」なんて惹句があったようです。
ちなみにこれは読者への衝撃でなく登場人物への衝撃でした。でも著者自
身も気に入っているオチのようでなかなかよかった。

ちなみに創元推理文庫での中町作品は「~の殺意」なるタイトルに改変さ
れていますが今回「三幕」については特に意味は無かったようです。

なかなか手に入りにくくなっている中町作品。これからも東京創元社さん
には旧作復刻お願いしたいです。

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追憶の殺意

追憶の殺意 (創元推理文庫)追憶の殺意 (創元推理文庫)
(2013/08/10)
中町 信

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『追憶の殺意』

没後再評価が高まった中町信さんの作品です。

再評価のきっかけはその作品の仕掛けの凄さで
いわゆる叙述トリックが仕掛けられていました。
作品中の世界の中で犯人が警察あるいは探偵に対するのではなくて
作者が読者に仕掛けるタイプの作品です。

本作は、旧題『自動車教習所殺人事件』で、創元推理文庫に入るにあたり改題したようです。
作風は叙述モノでなくスタンダードなタイプの作品で
当初は犯人探し、犯人の目星がついてからはアリバイ崩し、という構成になっています。

犯人探しの部分については
自動車教習所に絡むさまざまな人間関係が描かれ
怪しい人物がかなり多めに配置されていますが
本作の本領は容疑者を特定してからの
そのしつこいまでのアリバイ崩し。
ひとつのアリバイが崩れるとまた次の難関が・・・。

これぞ正統派本格推理です。

地味な登場人物がこつこつとアリバイを崩していくサマは
わたしの性にあっているのかとても面白かったです。

発表当時も乱歩賞候補になったようですが
あまりに直球本格すぎて受賞できなかったのでしょうか。
地味といえば地味、
とくに自動車教習所業界の暗部(あるのかな)を描くわけでもないので
アピール性が足りなかったのかもしれません。
それに旧題『自動車教習所殺人事件』も残念。

しかし本作は正統派の本格好きには大満足の作品であるとともに
中町信は物凄い作家であったということは是非伝えておきたいところです。

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模倣の殺意

模倣の殺意 (創元推理文庫)模倣の殺意 (創元推理文庫)
(2012/12/21)
中町 信

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4月2日の読売新聞夕刊によると今「模倣の殺意」が売れているらしい。

40年前のミステリーで作者は中町信(知らないでしょう)。
そうは売れる条件があるとは思われません。

とある書店がちょっと仕掛けてみたら人気が出て他の書店でも売れ始めたらしいです。

私は「本格ミステリ・フラッシュバック」という本でこの作品を知り読んでみましたが
面白いのなんの。
叙述トリック作品ですが40年前でこんな事をやっていたんですね。

それまでこの作者の作品は読んだことがなく
イメージ的には”ありがちな量産作家”、だったのですが
まったく違う人であることが分かりました。

創元推理文庫で何冊かこの種の作品が読めますがこれはなかなかのモンであります。

ちなみに本作、おおもとはこのタイトルですが
以前文庫で出ていたときは「新人賞殺人事件」というタイトルだったようです。

たぶんこれじゃ手を出さないよね。

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↓こういった知られざる名品にも焦点をあてた絶好のガイド本です。
本格ミステリ・フラッシュバック (Key library)本格ミステリ・フラッシュバック (Key library)
(2008/12)
千街 晶之、大川 正人 他

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