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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

私というの名の変奏曲

『私というの名の変奏曲』
連城三紀彦
私という名の変奏曲 (文春文庫)


美容整形手術により完璧な美貌を手に入れ、
世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が死んだ。
レイ子を殺す動機を持っている7人の男女は、
全員が「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じていた!?
ミステリー史上出色のヒロインをめぐる愛憎劇を超絶技巧で描き切った、
連城ミステリーの最高峰!


いやあ凄いなあ。
これぞ連城ミステリなんだろうなあ。

七人の男女が「美織レイ子を殺したのは自分だ」
とそれぞれに信じているというとてつもない状況。
しかも殺人の手段はすべて同じ。

ネタバレにはならないと思うので書いておきますが
被害者は死んだふりをしていたわけではない。
ちゃんと(?)死んでいます。

このとびきりの謎を見事に回収する手腕はさすが連城三紀彦。
ただものではないです。
この作品を成立させるのは完璧に練り込まれたプロットと
眩暈さえ起こさせそうな魅惑的な文章があってこそです。

筆力がない作家が書いたらシラケてしまうような
ある意味とてもふざけた内容です。
際どいバランスの上に成り立っているっていう感じです。

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先に解説を読んでも大丈夫です。
むしろ先に読むことで本作の驚きどころを増幅させてくれます。
(あとで読み直すと解説そのものの”巧い”部分に気づきました。)
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流れ星と遊んだころ

『流れ星と遊んだころ』
連城三紀彦
流れ星と遊んだころ (双葉文庫)


大物俳優、花村陣四郎に隷属させられているマネージャーの北上梁一は、
ある夜、ナイフの目を持つ男と出会う。
「この男をスターにしてみせる」。
北上は花ジンを追い落とし男をスターにするべく、
欲望渦巻く映画界で大勝負にでるが……。
「このミス」ランクインの超絶技巧トリック初文庫化


芸能界を舞台に繰り広げられる物語です。
上記の”超絶技巧”は切れ味鋭い短編にはあてはまりますが
本作には過度の期待は持たないほうが良いのかもしれません。

驚き処は中盤にあり、そこできっとアレッそうだったのか
と思うでしょう。
しかしその後もまた淡々と物語は進んでいきます。

本作はミステリとしては書かれてはいないように思います。
芸能界を駆け上がるための人間関係や策略を描いた
ピカレスクロマン風の作品です。

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連城三紀彦 レジェンド2

『連城三紀彦 レジェンド2』
連城三紀彦
連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集 (講談社文庫)
連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集 (講談社文庫)


逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。
死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、
連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。
“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、
最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。
巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。


短編をセレクトした”レジェンド”の2巻目です。
まだまだ読んだことがない作品も多いとはいえ
収録6編のうち3編は既読とはなかなか連城三紀彦にはまってきています。
但し連城作品はミステリ外の作品も多いようでその選択が難しい。
恋愛小説短編集の中に数点あるらしいミステリ度の高い作品というのは
なかなか探せだせないし、買うのも控えてしまっていますし。

「ぼくを見つけて」
読んでいてこれは何かで読んでいたと思い出しました。
子供の誘拐がテーマですが”大きな”誘拐が浮かび上がってきます。
断ち切られたようなエンディングは結構好み

「菊の塵」
動機探しとでもいうのか、硬い雰囲気と合っています。
この時代にしか存在しえない動機とトリック(というべきものか)です。

「ゴースト・トレイン」
伊坂幸太郎さんの発言、
「トリック的にはかなりギリギリの作品」「普通は書けない」
が言い得て妙。

「白蘭」
全編大阪弁の一人称語り。
とある芸人の生き様を描いた作品ですが
当然とあるミステリ的ポイントがあります。
白蘭という言葉は題名以外では一度も使われていないそうですが
それを踏まえてラストの一文がなかなかいいです。

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美女

『美女』
連城三紀彦
美女 (集英社文庫)


人生は舞台、演ずる芝居は「恋」。
妻の妹と関係を持った男が、妻の目をくらますために考えた秘策とは?
(表題作「美女」)
息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く8篇のミステリアス・ノベル。


美女というタイトルと、この紹介文ではわかりにくいが実は連城ミステリ。
『ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド』を読まなければ
手にしなかったであろう本です。

基本的にはお得意の反転に次ぐ反転が炸裂するミステリでで
読んでいて途中で構図が分からなくなってしまいました。
しかも読み続けるのがしんどい。
それだけ濃いということでしょうか。

解説者絶賛の「喜劇女優」だけでも本書の価値はあるのかも。
以下解説文。
殺人の起きない話で登場人物を全員消し去るなどという無謀な試みに
挑戦し、しかもそれを成功させてしまったのがこの作品なのだ。
信じ難いまでの超絶技巧ではないか。


男女合わせ七人の登場人物が消えてしまうのです。
どうですか。気になるでしょう。

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暗色コメディ

『暗色コメディ』
連城三紀彦
暗色コメディ (文春文庫)
暗色コメディ (文春文庫)


もう一人の自分を目撃してしまった主婦。
自分を轢き殺したはずのトラックが消滅した画家。
妻に、あんたは一週間前に死んだと告げられた葬儀屋。
知らぬ間に妻が別人にすり替わっていた外科医。
四つの狂気が織りなす幻想のタペストリーから、
やがて浮かび上がる真犯人の狡知。本格ミステリの最高傑作。



連城三紀彦さんの処女長編

まず序章の4人の物語がスゴイ。
・もう一人の自分を目撃してしまった主婦。
・自分を轢き殺したはずのトラックが消滅した画家。
・妻に、あんたは一週間前に死んだと告げられた葬儀屋。
・知らぬ間に妻が別人にすり替わっていた外科医。

これらの不可思議な現象は第一章でさらに拡大し
このくらくらした感覚で、果たしてこれがまっとうなミステリになるとは
とても思えないです。

しかし精神病院を中心に物語が少しづつ交差していき
いわゆる探偵役が現れたあたりからミステリ的解決が始まります。

序章の4人とその配偶者、探偵役含めた病院の医者達と
登場人物も多く、これがクラクラ感を増加させていますが
誰がまっとうなのかわからないのでさらにクラクラしました。

かなり強引な部分があるとはいえ
広げに広げた大風呂敷を見事に畳んでおり
確かに本格ミステリでありました。

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連城作品のイメージではなかった”図解”もありそれも一興です。
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連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集

連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集
連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)
連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)


ミステリーに殉じた作家を敬愛する四人による驚嘆のアンソロジー。
巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。
遊郭に出入りする男の死体が握っていた白い花に魅せられた若い刑事
(「桔梗の宿」)、
月一度、母の愛人と過ごす茶室に生涯を埋めた女
(「花衣の客」)ほか。
綾辻×伊坂、巻末対談でその圧倒的な魅力も語る!



「依子の日記」
「眼の中の現場」
「桔梗の宿」
「親愛なるエス君へ」
「花衣の客」
「母の手紙」

を収録しています。
既読は「桔梗の宿」のみ。他は初めて読みますが面白い。

「依子の日記」
「眼の中の現場」
は事件の真相がつかめそうになるとするりとかわされ、
どこへ着地するか不安定な中で物語が終わっていくような作品。

「親愛なるエス君へ」
「花衣の客」
「母の手紙」
は、ある瞬間で一気に物語が反転してしまうトリッキーな作品。
どれも逸品ですなあ。

もっと読みたい。
でも何から読んだらいいんだろう。
何を買えばいいんだろう。
結構わかりにくい作家ですよね。

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と『レジェンド』を読んで2時間後図書館へ行ったら下記がありました。

『ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド』
ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド
ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド

恋愛小説と思われていた作品の中にも
ミステリあるいはその要素の高いものが多くあり、
それを読まないのはもったいないよ、とガイドしてくれる本です。

あとがきにこんな一文がありました。

恋愛小説に興味のないミステリ好きの読者にとっては、
その本を手に取るきっかけとして、それがミステリであるという保証が
必要なのだと思う。


そうなんです。保証が欲しかった。

でもまずは完全にミステリである『暗色コメディ』を読まねば。
これさえ読んでいないのです。


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夜よ鼠たちのために

『夜よ鼠たちのために』
連城三紀彦
夜よ鼠たちのために (宝島社文庫)


脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を
巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。なぜこんな姿で殺さ
れたのか、犯人の目的は一体何なのか…?深い情念と、超絶技巧。意外な
真相が胸を打つ、サスペンス・ミステリーの傑作9編を収録。
『このミステリーがすごい!2014年版』の「復刊希望!幻の名作ベストテン
」にて1位に輝いた、幻の名作がついに復刊!


深い情念が渦巻く世界とミステリとしての仕掛け。
収録9編中7編が素晴らしい。
物語は暗いが騙される快感が心地よい。
超絶技巧、まさにそんな言葉がふさわしい。

立て続けに読んだのでまた何かあるんだろ、と思って読み進めましたが
これが何かのアンソロジーで予備知識なしに出てきたら
仰天してしまうんでしょう。
素晴らしいミステリです。

「二つの顔」「過去からの声」「二重生活」「代役」
読んで驚け!

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処刑までの十章

処刑までの十章
処刑までの十章

『処刑までの十章』連城三紀彦

ひとりの平凡な男が突然消えた。弟直行は、土佐清水で起きた放火殺人事
件、四国の寺で次々と見つかるバラバラ死体が、兄の失踪と関わりがある
のではと高知へと向かう。真相を探る度に嘘をつく義姉を疑いながらも翻
弄される直行。夫を殺したかもしれない女に熱い思いを抱きながら、真実
を求めて事件の迷路を彷徨う。禁断の愛、交錯する嘘と真実。
これぞ、連城マジックの極み。


冒頭から夢中で読み進めてしまった。
登場人物たちのおもわせぶりな会話が物語を複雑なものと変容させていき
なんか酔ってしまうような感覚で読んでいました。
登場人物の印象も序盤、中盤、そして結末までの間で変わっていきます。

連城さんの文体の雰囲気にのみこまれそうになりますが、本作はまぎれも
ない本格ミステリ。

まさに”連城マジック”でした。

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再読すれば伏線がいたるところにはってあるのが確認できそう。
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女王

女王女王
(2014/10/29)
連城 三紀彦

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『女王』


戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。
だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、
空襲の最中にこの男と出会っていたことを。
一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。
邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家の祖父は、
なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか?
瓜木は史郎と彼の妻・加奈子ととともに
奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。
だが彼らに立ちはだかったのは、
魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎であった。


単行本で500頁を超える大作です。
没後雑誌掲載後未刊行の作品として単行本化されました。

自らのありえない記憶に悩む男を中心に
物語は邪馬台国まで跳びます。

記憶に関する部分では
ある時点である解決が出され、結局そのまま収束していきます。
また邪馬台国の”水行十日陸行一月”の解釈と
それに絡めた現在進行系の物語の解釈部分は面白いものの
それが本作のキモなのかもわかりませんでした。

ネット書評をみると
”下手な作家が書いたらバカミス。連城さんだから書けた”
的な感想も多いです。(”バカミスに対して失礼ですが”)

バカミス云々は別としてこのネタでこの大作を描き切るのは
筆力ある作家でないと無理と感じました。

連城さんの一連の超絶ミステリと比較すると
ミステリとしての面白みはちょっと退く気がしますが
それ以外の部分での凄みがある作品かと感じました。

なにしろこの500頁を一気読みしちゃった位ですから。

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本作と似たテーマ、前世・記憶などを扱ったものでは
泡坂妻夫さんの「妖女のねむり」もオススメです。

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人間動物園

人間動物園人間動物園
(2002/04)
連城 三紀彦

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人間動物園

以前読んだ同じ作者の「造花の蜜」と
類を同じくする誘拐ミステリです。

「造花の蜜」の方が後に出来た作品であり
またそちらを先に読んでいて
その時の衝撃がなにしろ凄すぎたため
「人間動物園」のほうの衝撃は弱めでした。

とはいえ予想のつかない展開と
プロットの斬新さは素晴らしく
ここらへんが連城マジックといわれるものなのだろうと思いました。

先にこれを読んでいたら
きっとこれも衝撃を受けていたでしょう。

以前も記事で書きましたが
最初に読んだ連城作品がイマイチだったので
以降、他の作品を読んでいなかったのですが
やはりそれは勿体無さそうですね。

今思うとその最初に読んだ作品というのは
手垢のついたようなプロットのように思われたのですが
もしかするとそのプロットの先駆的作品で
実は多くの作家が連城作品を発展させた作品を作っていて、
私はそれらを先に読んでしまっていたのかも。
なんて思ってしまいました。

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