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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

ため息の時間

『ため息の時間』
連城三紀彦



敬愛するセンセイと奥さん―。僕は2人を同時に愛してしまった。
雨の横浜、湖畔のホテル。危険な愛にはどんな結末が訪れるのか…
新しい時代の、新しい恋愛小説。


これはいったい何なんだ。連城三紀彦の問題作です。
上記の紹介文や文庫裏表紙の紹介文では読み取れませんが、恋愛小説に
メタ・ミステリの要素を加えた作品という事前情報で読みました。
どこらへんがメタかというと、小説中に、
この小説を実際に書いているのは「連城三紀彦」という人だが、僕は
その人とは別人なのだ。
といった記載があったり、本作は元々雑誌連載だったが途中でタイトル
を変更し、その事情を小説内で説明したりというところから伺えます。

但しこれらの仕掛けが効いているかというとそうではなく、またミステ
リ要素も実際は無いので、下記のように作中人物に語らせているように
(ここもメタですね)まあよくわからない作品です。
「どのみち、ミステリーとしては最悪の作品だし。あなたが何回目かに
得意がって書いている”どんでん返し”なんて何の意味もないもの」

恋愛小説としてはどうかというと今までその類を読んでいないので
そこもわかりません。

なお本作は単行本時は各章ごとに注釈が入っていたり、また表紙絵の
作者名を登場人物名にしたりといろいろ遊び心があったようですが
文庫ではそれらがなくなっておりかなり減点です。

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もし最初の連城作品との出会いが本作であったらと思うとオソロシイ。
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白光

『白光』
連城三紀彦



ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常
のはずだった。しかし、ある暑い夏の日、まだ幼い姪が自宅で何者かに
殺害され庭に埋められてしまう。この殺人事件をきっかけに、次々に
明らかになっていく家族の崩壊、衝撃の事実。殺害動機は家族全員に
存在していた。真犯人はいったい誰なのか?
連城ミステリーの最高傑作がここに。


登場人物の独白が連なる構成ですが、登場人物の独白毎に事件の様相が
次々と変わっていく展開クラクラしました。
しかも読者に対し感情移入できる人物を一人も出さないという人物造形。
読んでいてイヤな気持になりまくりの強烈な作品でした。
登場人物の独白も1回限りでなく複数回ありますが、前回の自らの独白と
矛盾することなく新しい展開になっていく構成はさすが連城マジック、
と思わされます。
スゴいミステリでした。

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但し読後感は悪い。読んでいる最中でもイヤ度充分。
初めて連城作品でこれ読んだらもう他に手を出さなくなってしまうかも。
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青き犠牲

『青き犠牲
連城三紀彦



高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。
一ヶ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。犯人は誰なのか。
高校三年生の息子・鉄男の出生の秘密、美貌の母と鉄男の異常な関係
など、杉原家の抱える歪んだ家族関係が明らかになり、容疑は息子の
鉄男に向けられるが、仰天の顛末とは―。
「ギリシャ悲劇」を絡めた連城三紀彦初期の傑作長編ミステリー。


文庫裏表紙の紹介文より、
子による父殺し、そのどろどろとした人間性を描く作品、
しかしミステリー、
という内容と知りつつ読みましたが
”しかしミステリー”の部分が予想以上の出来で面白かった。
連城作品は、一瞬にして構図が逆転するプロットが素晴らしいですが
本作もその系譜にあるものでした。

本作はじわりじわりとくる逆転劇がほどよい狂気性?を感じさせ
やはり読んでよかったと思える作品です。
重厚な文体だかこそ活きる仕掛けなのはやはり連城作品こそ。

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終章からの女

『終章からの女』
連城三紀彦
終章からの女 (双葉文庫)


人が儀式をくり返すように、事件をくり返した一人の女は、
その儀式通り、12月9日の夜、またも電話をかけてきて、
再び、とんでもない告白を始める…。
劇的に逆転する一人の女の半生のドラマ。


これを書いている時点でアマゾンでの中古価格1,907円。
なるほど今まで全く見かけたことのない文庫だ。
貴重なのかも。

通常の双葉文庫のフォーマットとは異なる色合いと文字の背表紙。
とにかく連城ミステリを渇望しているものとしては手に取ります。
しかし解説もなければ裏表紙に作品説明文もありません。
恋愛モノだったら買いませんがページをめくると
警察という文字が見えるのでミステリだと判断して購入しました。

そのまま予備知識ないまま読み始めようとしました。
しかし目次も人物紹介欄もなく全体の構成もわかりません。
だが冒頭、夫の体から包丁を抜いたという記述から
本作はミステリであろうと判断し読み進めます。

物語は男を殺害した犯人が妻か愛人かをめぐる推理劇ですが
これは早々に妻の犯行だと結論付けられあとは裁判のシーンに移ります。

この過程で主人公である女のワケアリそうな過去や
不可思議な言動が浮かび上がってきます。
恐らくここまで、未解決の謎は残るし、
ストーリーに物足りなさは残るものの
物語としては成立しているように思います。

しかし第二部(二部構成とは思わなかった)で
とんでもない事が起こります。
叙述ミステリ(の部分はあるが)ではないのに
これぞ連城マジックというべきネタが出てきます。

一瞬で世界が反転するわけではないですが
じわじわと読者を締め付けてきます。

さすが連城三紀彦と感じる作品です。

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私というの名の変奏曲

『私というの名の変奏曲』
連城三紀彦
私という名の変奏曲 (文春文庫)


美容整形手術により完璧な美貌を手に入れ、
世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が死んだ。
レイ子を殺す動機を持っている7人の男女は、
全員が「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じていた!?
ミステリー史上出色のヒロインをめぐる愛憎劇を超絶技巧で描き切った、
連城ミステリーの最高峰!


いやあ凄いなあ。
これぞ連城ミステリなんだろうなあ。

七人の男女が「美織レイ子を殺したのは自分だ」
とそれぞれに信じているというとてつもない状況。
しかも殺人の手段はすべて同じ。

ネタバレにはならないと思うので書いておきますが
被害者は死んだふりをしていたわけではない。
ちゃんと(?)死んでいます。

このとびきりの謎を見事に回収する手腕はさすが連城三紀彦。
ただものではないです。
この作品を成立させるのは完璧に練り込まれたプロットと
眩暈さえ起こさせそうな魅惑的な文章があってこそです。

筆力がない作家が書いたらシラケてしまうような
ある意味とてもふざけた内容です。
際どいバランスの上に成り立っているっていう感じです。

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先に解説を読んでも大丈夫です。
むしろ先に読むことで本作の驚きどころを増幅させてくれます。
(あとで読み直すと解説そのものの”巧い”部分に気づきました。)
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流れ星と遊んだころ

『流れ星と遊んだころ』
連城三紀彦
流れ星と遊んだころ (双葉文庫)


大物俳優、花村陣四郎に隷属させられているマネージャーの北上梁一は、
ある夜、ナイフの目を持つ男と出会う。
「この男をスターにしてみせる」。
北上は花ジンを追い落とし男をスターにするべく、
欲望渦巻く映画界で大勝負にでるが……。
「このミス」ランクインの超絶技巧トリック初文庫化


芸能界を舞台に繰り広げられる物語です。
上記の”超絶技巧”は切れ味鋭い短編にはあてはまりますが
本作には過度の期待は持たないほうが良いのかもしれません。

驚き処は中盤にあり、そこできっとアレッそうだったのか
と思うでしょう。
しかしその後もまた淡々と物語は進んでいきます。

本作はミステリとしては書かれてはいないように思います。
芸能界を駆け上がるための人間関係や策略を描いた
ピカレスクロマン風の作品です。

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連城三紀彦 レジェンド2

『連城三紀彦 レジェンド2』
連城三紀彦
連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集 (講談社文庫)
連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集 (講談社文庫)


逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。
死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、
連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。
“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、
最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。
巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。


短編をセレクトした”レジェンド”の2巻目です。
まだまだ読んだことがない作品も多いとはいえ
収録6編のうち3編は既読とはなかなか連城三紀彦にはまってきています。
但し連城作品はミステリ外の作品も多いようでその選択が難しい。
恋愛小説短編集の中に数点あるらしいミステリ度の高い作品というのは
なかなか探せだせないし、買うのも控えてしまっていますし。

「ぼくを見つけて」
読んでいてこれは何かで読んでいたと思い出しました。
子供の誘拐がテーマですが”大きな”誘拐が浮かび上がってきます。
断ち切られたようなエンディングは結構好み

「菊の塵」
動機探しとでもいうのか、硬い雰囲気と合っています。
この時代にしか存在しえない動機とトリック(というべきものか)です。

「ゴースト・トレイン」
伊坂幸太郎さんの発言、
「トリック的にはかなりギリギリの作品」「普通は書けない」
が言い得て妙。

「白蘭」
全編大阪弁の一人称語り。
とある芸人の生き様を描いた作品ですが
当然とあるミステリ的ポイントがあります。
白蘭という言葉は題名以外では一度も使われていないそうですが
それを踏まえてラストの一文がなかなかいいです。

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美女

『美女』
連城三紀彦
美女 (集英社文庫)


人生は舞台、演ずる芝居は「恋」。
妻の妹と関係を持った男が、妻の目をくらますために考えた秘策とは?
(表題作「美女」)
息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く8篇のミステリアス・ノベル。


美女というタイトルと、この紹介文ではわかりにくいが実は連城ミステリ。
『ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド』を読まなければ
手にしなかったであろう本です。

基本的にはお得意の反転に次ぐ反転が炸裂するミステリでで
読んでいて途中で構図が分からなくなってしまいました。
しかも読み続けるのがしんどい。
それだけ濃いということでしょうか。

解説者絶賛の「喜劇女優」だけでも本書の価値はあるのかも。
以下解説文。
殺人の起きない話で登場人物を全員消し去るなどという無謀な試みに
挑戦し、しかもそれを成功させてしまったのがこの作品なのだ。
信じ難いまでの超絶技巧ではないか。


男女合わせ七人の登場人物が消えてしまうのです。
どうですか。気になるでしょう。

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暗色コメディ

『暗色コメディ』
連城三紀彦
暗色コメディ (文春文庫)
暗色コメディ (文春文庫)


もう一人の自分を目撃してしまった主婦。
自分を轢き殺したはずのトラックが消滅した画家。
妻に、あんたは一週間前に死んだと告げられた葬儀屋。
知らぬ間に妻が別人にすり替わっていた外科医。
四つの狂気が織りなす幻想のタペストリーから、
やがて浮かび上がる真犯人の狡知。本格ミステリの最高傑作。



連城三紀彦さんの処女長編

まず序章の4人の物語がスゴイ。
・もう一人の自分を目撃してしまった主婦。
・自分を轢き殺したはずのトラックが消滅した画家。
・妻に、あんたは一週間前に死んだと告げられた葬儀屋。
・知らぬ間に妻が別人にすり替わっていた外科医。

これらの不可思議な現象は第一章でさらに拡大し
このくらくらした感覚で、果たしてこれがまっとうなミステリになるとは
とても思えないです。

しかし精神病院を中心に物語が少しづつ交差していき
いわゆる探偵役が現れたあたりからミステリ的解決が始まります。

序章の4人とその配偶者、探偵役含めた病院の医者達と
登場人物も多く、これがクラクラ感を増加させていますが
誰がまっとうなのかわからないのでさらにクラクラしました。

かなり強引な部分があるとはいえ
広げに広げた大風呂敷を見事に畳んでおり
確かに本格ミステリでありました。

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連城作品のイメージではなかった”図解”もありそれも一興です。
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連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集

連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集
連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)
連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)


ミステリーに殉じた作家を敬愛する四人による驚嘆のアンソロジー。
巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。
遊郭に出入りする男の死体が握っていた白い花に魅せられた若い刑事
(「桔梗の宿」)、
月一度、母の愛人と過ごす茶室に生涯を埋めた女
(「花衣の客」)ほか。
綾辻×伊坂、巻末対談でその圧倒的な魅力も語る!



「依子の日記」
「眼の中の現場」
「桔梗の宿」
「親愛なるエス君へ」
「花衣の客」
「母の手紙」

を収録しています。
既読は「桔梗の宿」のみ。他は初めて読みますが面白い。

「依子の日記」
「眼の中の現場」
は事件の真相がつかめそうになるとするりとかわされ、
どこへ着地するか不安定な中で物語が終わっていくような作品。

「親愛なるエス君へ」
「花衣の客」
「母の手紙」
は、ある瞬間で一気に物語が反転してしまうトリッキーな作品。
どれも逸品ですなあ。

もっと読みたい。
でも何から読んだらいいんだろう。
何を買えばいいんだろう。
結構わかりにくい作家ですよね。

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と『レジェンド』を読んで2時間後図書館へ行ったら下記がありました。

『ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド』
ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド
ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド

恋愛小説と思われていた作品の中にも
ミステリあるいはその要素の高いものが多くあり、
それを読まないのはもったいないよ、とガイドしてくれる本です。

あとがきにこんな一文がありました。

恋愛小説に興味のないミステリ好きの読者にとっては、
その本を手に取るきっかけとして、それがミステリであるという保証が
必要なのだと思う。


そうなんです。保証が欲しかった。

でもまずは完全にミステリである『暗色コメディ』を読まねば。
これさえ読んでいないのです。


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