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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

夜よ鼠たちのために

『夜よ鼠たちのために』
連城三紀彦
夜よ鼠たちのために (宝島社文庫)


脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を
巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。なぜこんな姿で殺さ
れたのか、犯人の目的は一体何なのか…?深い情念と、超絶技巧。意外な
真相が胸を打つ、サスペンス・ミステリーの傑作9編を収録。
『このミステリーがすごい!2014年版』の「復刊希望!幻の名作ベストテン
」にて1位に輝いた、幻の名作がついに復刊!


深い情念が渦巻く世界とミステリとしての仕掛け。
収録9編中7編が素晴らしい。
物語は暗いが騙される快感が心地よい。
超絶技巧、まさにそんな言葉がふさわしい。

立て続けに読んだのでまた何かあるんだろ、と思って読み進めましたが
これが何かのアンソロジーで予備知識なしに出てきたら
仰天してしまうんでしょう。
素晴らしいミステリです。

「二つの顔」「過去からの声」「二重生活」「代役」
読んで驚け!

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処刑までの十章

処刑までの十章
処刑までの十章

『処刑までの十章』連城三紀彦

ひとりの平凡な男が突然消えた。弟直行は、土佐清水で起きた放火殺人事
件、四国の寺で次々と見つかるバラバラ死体が、兄の失踪と関わりがある
のではと高知へと向かう。真相を探る度に嘘をつく義姉を疑いながらも翻
弄される直行。夫を殺したかもしれない女に熱い思いを抱きながら、真実
を求めて事件の迷路を彷徨う。禁断の愛、交錯する嘘と真実。
これぞ、連城マジックの極み。


冒頭から夢中で読み進めてしまった。
登場人物たちのおもわせぶりな会話が物語を複雑なものと変容させていき
なんか酔ってしまうような感覚で読んでいました。
登場人物の印象も序盤、中盤、そして結末までの間で変わっていきます。

連城さんの文体の雰囲気にのみこまれそうになりますが、本作はまぎれも
ない本格ミステリ。

まさに”連城マジック”でした。

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再読すれば伏線がいたるところにはってあるのが確認できそう。
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女王

女王女王
(2014/10/29)
連城 三紀彦

商品詳細を見る

『女王』


戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。
だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、
空襲の最中にこの男と出会っていたことを。
一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。
邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家の祖父は、
なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか?
瓜木は史郎と彼の妻・加奈子ととともに
奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。
だが彼らに立ちはだかったのは、
魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎であった。


単行本で500頁を超える大作です。
没後雑誌掲載後未刊行の作品として単行本化されました。

自らのありえない記憶に悩む男を中心に
物語は邪馬台国まで跳びます。

記憶に関する部分では
ある時点である解決が出され、結局そのまま収束していきます。
また邪馬台国の”水行十日陸行一月”の解釈と
それに絡めた現在進行系の物語の解釈部分は面白いものの
それが本作のキモなのかもわかりませんでした。

ネット書評をみると
”下手な作家が書いたらバカミス。連城さんだから書けた”
的な感想も多いです。(”バカミスに対して失礼ですが”)

バカミス云々は別としてこのネタでこの大作を描き切るのは
筆力ある作家でないと無理と感じました。

連城さんの一連の超絶ミステリと比較すると
ミステリとしての面白みはちょっと退く気がしますが
それ以外の部分での凄みがある作品かと感じました。

なにしろこの500頁を一気読みしちゃった位ですから。

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本作と似たテーマ、前世・記憶などを扱ったものでは
泡坂妻夫さんの「妖女のねむり」もオススメです。

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人間動物園

人間動物園人間動物園
(2002/04)
連城 三紀彦

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人間動物園

以前読んだ同じ作者の「造花の蜜」と
類を同じくする誘拐ミステリです。

「造花の蜜」の方が後に出来た作品であり
またそちらを先に読んでいて
その時の衝撃がなにしろ凄すぎたため
「人間動物園」のほうの衝撃は弱めでした。

とはいえ予想のつかない展開と
プロットの斬新さは素晴らしく
ここらへんが連城マジックといわれるものなのだろうと思いました。

先にこれを読んでいたら
きっとこれも衝撃を受けていたでしょう。

以前も記事で書きましたが
最初に読んだ連城作品がイマイチだったので
以降、他の作品を読んでいなかったのですが
やはりそれは勿体無さそうですね。

今思うとその最初に読んだ作品というのは
手垢のついたようなプロットのように思われたのですが
もしかするとそのプロットの先駆的作品で
実は多くの作家が連城作品を発展させた作品を作っていて、
私はそれらを先に読んでしまっていたのかも。
なんて思ってしまいました。

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造花の蜜

造花の蜜造花の蜜
(2008/11)
連城 三紀彦

商品詳細を見る

幼稚園での信じられない誘拐劇。人質の父親を名乗る犯人。
そして、警察を嘲笑うかのような、白昼の渋谷スクランブル交差点での、身代金受け渡し。
前代未聞の誘拐事件は、人質の保護により、解決に向かうかのように思われた…。
だが、それはこの事件のほんの序章に過ぎなかった。
二転、三転する事件の様相は、読者を想像を絶する結末へ導く。


ということで
かなりのヴォリュームでしたが一気に読みきってしまいました。
これは面白い!

幼児誘拐についても犯人の要求がいろいろ奇妙なものであったりして
興味がそそられます。

その後、犯人の首謀者や一味のひとりに視点が切り替わり
この犯罪の動機が明らかになっていきますが
ここらへんも飽きさせません。
そしてそのままあっと驚く状況に事件は進展していきます。

最終章ではさらに別の事件が描かれますが
ここも曲者です。

最初に読んだ連城作品が
非常に頂けなかったせいでこの作家は敬遠していたのですが
その後 短編ですが「戻り側心中」で唸り、
「敗北への凱旋」のやりすぎともいえる暗号ミステリに度肝をぬかれてしまいました。

ミステリから離れた作品も多そうで
何を読んだらいいのかわかりませんが
ちょこちょこっとあたっていきたいところです。

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敗北への凱旋

敗北への凱旋  綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)敗北への凱旋  綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)
(2007/08/07)
連城 三紀彦

商品詳細を見る

あまりこの作者の作品は読んでいませんでした。
何かのアンソロジーで「戻り川心中」と
よくわからなかった長編が一作のみ。
そんなわけであまり期待せずに読みはじめましたが
ぐいぐいと引きずり込まれていきました。

終戦後のとある殺人事件を20数年後に解決していく話
(こう紹介すると安っぽいけど)なのですが
まずここでの暗号が凄まじい。
音楽家でもあり軍人でもあった被害者が残した楽譜が
暗号のひとつになっているのですが
こんなのわかるわけないよ、というほど複雑にに構築されています。

ほかにも本格のガジェットが盛り込まれているのですが
最大の読ませ場はその殺人事件の動機です。
”戦争”というのがポイントになってきます。

<序章-ある終戦> で
夾竹桃(毒をもつ)が日本軍の命令で飛行機からばら撒かれるシーンがあるのですが
これも大きな意味を持っていることがラストでわかりました。

”この作者の本格は素晴らしい、だけど最近(といっても昔)は
ミステリから離れている”
ということは知識として知っていましたが
これほどの素晴らしさとは思わなかったので
これからちょっと読んでみるかな。

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