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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

中空

『中空』
鳥飼否宇
中空 (角川文庫)
中空 (角川文庫)


第21回「横溝正史ミステリ大賞」優秀賞受賞作。主人公の植物写真家と自
然観察家は、数十年に一度の開花時期を迎えた竹の花を見に、大隈半島に
ある竹茂という村を訪れた。7家族のみが住む竹に覆われた集落。村人は
皆、中国の思想家「荘子」の精神を守って暮らしている。この平穏な村で
、小動物の惨殺事件が続発し、ついには村人の首なし死体が発見された。
犯人は誰か、そしてその目的は…。閉ざされた空間で、来訪者である2人
が難事件に挑む。

”ホームズ”役と“ワトソン”役が登場し、事件を推理・解決するという
、本格ミステリーのいわば王道を行く作品である。科学技術や情報通信の
発展が目覚しい現在、本格ミステリーが成立するためには、たとえば雪に
閉ざされた山荘や無人島などの特殊な環境が必要となる。本書では、竹に
囲まれた閉鎖的な村社会と住人たち独自の思想を設定することによって、
現代生活や一般常識の範疇(はんちゅう)を超えた小説の舞台を見事に作
り上げている。

また本書の最大の魅力は、竹についての記述にあると言えよう。青々とし
た竹林、妖しい美しさをたたえた竹の花。その詳細な描写が読者をこの物
語の幻想的な世界へといざなうのである。ほかに、女性主人公の中性的な
語り口や、村人の禅問答にも似た掛け合いも興味深い。使われているトリ
ックはさほど衝撃的なものではないが、これがデビュー作とは思えないほ
ど内容の濃い作品である。


とここまでがアマゾンでの商品説明。長いっ!

後にシリーズ化される観察者シリーズの1作目になります。
キャラクター設定は本作でほぼ完成していたんですね。
地味と云えば地味な名探偵役とワトソン役の猫田嬢がいるだけで
なんとなく安心して読めてしまいます。

首なし死体がでてきたりしてトリッキーな大ネタがでるのかと
思ってましたが結構解決も地味。
でも良かった。

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生け贄

『生け贄』
鳥飼否宇
生け贄 (講談社ノベルス)


植物写真家の猫田夏海は、撮影中の不慮の怪我のため、高知の港町、白崇
教と呼ばれる宗教施設に滞在することに。その教団は、“タイガ”と呼ば
れるアルビノの鮫を崇めていた。ある夜、密室状態の本殿で、教主が刺殺
される事件が起こり、その翌晩、教主の息子の切断遺体が、海で発見され
る…!“観察者”にして生物探偵の鳶山は、猫田とともに調査を始めた。
連続殺人事件の陰に潜む、神の秘密と、教団の真の姿とは!?博覧強記の観
察者が闇を照らす。驚異の本格“生物”ミステリ。



ワトソン役、猫田夏海(順調に齢を取りアラフォー)のキャラが良く
好きなシリーズです。
またしらっととんでもない驚愕トリックが仕込まれていたりします。
そんな中、本作はちょっと地味といえば地味。
しかし驚きどころはやはりあります。
胡散臭い登場人物を錯綜させ、いかにもな雰囲気を漂わせながら
本格としてきれいにまとまっています。
やはりこのシリーズはいい。

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非在

『非在』
鳥飼否宇
非在 (角川文庫)
非在 (角川文庫)


奄美大島の海岸に流れ着いた一枚のフロッピー。そこに記されていたのは
奇怪な日記だった。ある大学のサークル一行が古文書を元に、人魚や朱雀
、仙人が現れるという伝説の島“沙留覇島”へ渡った調査記録だった。だ
が、日記の最後に記されていたのは、殺人事件を告げるSOS―フロッピー
を拾った写真家の猫田は警察へ届け、大規模な捜索が行われるが、それと
思しき島には誰一人いない。猫田は幻の島探しに乗り出すが…絶海の孤島
を舞台にした、驚天動地の本格+ネイチャーミステリ。

観察者シリーズの2作目です。

フロッピーによる日記がでてきて、いかにも仕掛けがありそうな雰囲気で
す。この雰囲気で前半読めてしまうのですが終盤は怒涛の謎解き。でもあ
まりに細かすぎて理解が追いつかなくなってしまいました。
日記の記述を正として被害者探しをする一方、日記そのものの作為もあり
ました。
そんなわけでバカミスではなくまっとうな本格ミステリのタイプの作品で
した。

ところで人魚の正体はスナメリってことでいいんでしょうか?

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物の怪

『物の怪』
鳥飼否宇
物の怪 (講談社ノベルス)
物の怪 (講談社ノベルス)


鬼払いの秘祭を取材するため、植物写真家の猫田夏海は、生物の知識に精
通した<観察者(ウォッチャー)>鳶山久志らとともに、瀬戸内に浮かぶ現代
アートの島――悪餌島を訪れた。その夜、ご神体として“鬼の腕”が収め
られた神社で、神事の準備をしていた女性が宝物の刀で惨殺される! 洞窟
に潜む羅刹の正体を、生物探偵が解き明かす!


「眼の池」「天の狗」「洞の鬼」と中篇三作が収録されています。
怪異的な現象を論理的に解明していく本シリーズ。やはり抜群の面白さで
す。
魅力的な謎に合理的な解決とちょっと変な探偵役、ワトソン役猫田夏海と
の会話は楽しく、また衒学趣味もいい塩梅、と私にとっては本当にストラ
イクゾーンど真ん中。
しかしやはり鳥飼否宇。エンディングで後味の悪さをしっかりと残してい
ます。しかもかなり効いてます。
それも踏まえやはりいいシリーズです。

ところでワトソン役でヒロインの猫田嬢、四捨五入すると40だそうで。
意外とショック。
いやいやそれこそ妙齢だなあ。

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憑き物

『憑き物』鳥飼否宇
憑き物 (講談社ノベルス)
憑き物 (講談社ノベルス)


植物写真家・猫田夏海が訪れた岩手県の寒村に住む滝上家は
代々“イヅナサマ”を操り託宣を下す霊能力を持つという。
満月の山中、夏美は滝上家の一人娘・沙姫の憑依現象を目撃する。
その翌日、祈祷堂での刺殺死体が奇妙な書き置きとともに発見された!
生物に知悉した先輩ライターの鳶山が調査に乗り出すが……。
二人が出会う、様々な憑依の不思議を<観察者>の論理が斬る!
鬼才・鳥飼否宇が描く、本格「憑き物」ミステリ!!


面白い!こんなのが好きです。
「憑き物」ということであれば京極さんや三津田さんの作品を思い浮かべ
ますがこちらの舞台は現代。語り手役は魅力的だし読みやすさもあります。

最後は本格(バカミスともいえる力技もあり)としてきれいにまとめます
が最後の最後で狂気な一面も見えてきてこれが鳥飼風なのかもしれません。

ふざけたシリーズはつぼに入らないのですがこの<観察者>シリーズは
いいですなあ。

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爆発的

『爆発的』鳥飼否宇
爆発的―七つの箱の死 (双葉文庫)
爆発的―七つの箱の死 (双葉文庫)

綾鹿市の大物実業家・日暮百人は、引退生活を送るにあたり、奇妙な私設
美術館を建てさせた。館内に気鋭の現代芸術家六人がそれぞれのアトリエ
を構え、その美術館に展示する作品を創作する。日暮と、その友人であり
美術評論家の樒木侃だけが作品を鑑賞できるのだ。しかし、最先端をいく
あまり、狂気すら漂わす彼らの芸術に触発されたのか、美術館では、奇想
天外な殺人が次々と起こる。


という連作短編集ですがともかく人を喰った作品であることは間違いあり
ません。ここで”人を喰った”はその文字どうりの内容も想起させられる
作品もあります。
ちなみに各短篇のタイトルはロックの題名を引用しているようです。
(私はそれで購入)
「黒くぬれ!」
「青い影」
「グレイとピンクの地」
「紅王の宮殿」


内容はどっちかというとスカッとしないまま収束してしまった感がありま
した。

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死と砂時計

死と砂時計

死と砂時計 (創元クライム・クラブ)



世界各国から集められた死刑囚を収容する、ジャリーミスタン終末監獄。
親殺しの罪で収監されたアラン青年は、“監獄の牢名主”と呼ばれる老人
シュルツと出会う。明晰な頭脳を持つシュルツの助手となって、監獄内の
事件の捜査に携わるアラン。死刑執行前夜、なぜ囚人は密室状態の独房で
斬殺されたのか?どうして囚人は闇夜ではなく、人目につく満月の夜に脱
獄したのか?そして、アランが罪に問われた殺人事件の真相とは…。
死刑囚の青年と老人が遭遇する、摩訶不思議な事件の数々。終末監獄を舞
台に奇想と逆説が横溢する、著者渾身の本格ミステリ。


という事で終末監獄を舞台にした連作短篇本格ミステリとなっています。

探偵役に”監獄の牢名主”と呼ばれる老人シュルツ、
語り手として、親殺しの罪で収監されたアラン青年を配します。

各短篇がこの師弟コンビによる本格謎解きになっており、これはこれで
まずは楽しい。あわやバカミスでスゴイ評価をうけるかもっていうネタ
も仕込まれてありいい雰囲気。

そして最終章で語られるアランの事件の真相。
死刑が執行されることになったアランが過去を語るのですがここが読み
どころになります。
事件そのものは物悲しいエピソードなだけなのですが、ここからもう一つ
の真相究明のストーリーがはじまります。
ここから先は、まあありがちともいえなくも無い展開が待ちうけ
ここまで読んできてこの師弟コンビに感情移入してしまったものにとって
ちょっと感動的な締めで終わります。
・・・と、終わった後のエピローグ。
ある登場人物の異様さが浮き上がってきました。

おおぉ。そうなのか。

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こんな後味の悪さも含め物凄く面白い作品でした。

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