04«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»06

茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

心臓と左手

心臓左手
石持浅海
心臓と左手―座間味くんの推理 (光文社文庫)
心臓と左手―座間味くんの推理 (光文社文庫)


ミステリーにおける最大の謎は、人の心の奥深くにある―。
警視庁の大迫警視が、あのハイジャック事件で知り合った「座間味くん」
と酒を酌み交わすとき、終わったはずの事件は、
がらりとその様相を変える。
切れ味抜群の推理を見せる安楽椅子探偵もの六編に、
「月の扉」事件の十一年後の決着を描いた佳編「再会」を加えた、
石持ミステリーの魅力が溢れる連作短編集。


「座間味くん」を探偵役としたミステリです。
過去に起こったが解決したテロ組織に絡む事件(大迫警視が関係者)
の概要を聞いた「座間味くん」が事件の真相を推理します。
警察対テロ組織という構図の中で当然とされていた見解から生まれる
事件の”解決”を「座間味くん」が一般人の視点で覆していきます。

冒頭の一篇「貧者の軍隊」なんてまさにそうですね。
視点が切り替わることで事件の構造が変わりました。

作品のスタイルは全て同じフォーマットなので、
読み進めるうちに
あっ、これきっと伏線になっているはずだとか、ここがポイントだな、
と思うようになっていくのも楽しい部分です。

心臓左手」はなんとなく法月綸太郎さんあたりを思い起こしました。

「沖縄心中」では沖縄米軍問題を扱っています。
作中「座間味くん」に、
米軍とともに生まれた今の沖縄文化が好きなので
米軍問題には意見がいえない、
といった発言をさせています。
ここらへん多くのリアルな日本人の意見かも。

扱われる問題は石持さんらしく社会性のあるものですが
ミステリとして何より面白いのでオススメです。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


『月の扉』を読んでいなくても問題なく面白いと思います。

tb: 0 |  cm: 0
go page top

彼女が追ってくる

『彼女が追ってくる』
石持浅海
彼女が追ってくる (祥伝社文庫)
彼女が追ってくる (祥伝社文庫)


〈わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ……〉
中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。
舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。
愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。
完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。
さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。
死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。
平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。
やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは……?


碓氷優佳シリーズ3作目です。
今回も終盤、
真犯人に対し容赦なくその殺意を暴いていくところが痛快です。

被害者が”カフスボタン”を握りしめていたというところから、
別の登場人物が疑われますが、真犯人もそれが気になり、
それがわかるまでは警察の介入を良しとしません。

巻末の文庫解説でなるほどと思いましたが
これは”クローズド・サークル”を作るための
小説上の仕掛けでもあるんですね。

ラストも気が利いている?し、どうにもこうにも面白い。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村





tb: 0 |  cm: 0
go page top

アイルランドの薔薇

『アイルランドの薔薇』
石持浅海
アイルランドの薔薇 (光文社文庫)
アイルランドの薔薇 (光文社文庫)


南北アイルランドの統一を謳う武装勢力NCFの副議長が、
スライゴーの宿屋で何者かに殺された! 宿泊客は8人――
そこには正体不明の殺し屋が紛れ込んでいた。
やはり犯人は殺し屋なのか? それとも……。
宿泊客の一人、日本人科学者・フジの推理が、「隠されていた殺意」を
あぶり出してゆく!
本格推理界に衝撃を走らせた期待の超新星の処女長編!


マイ石持浅海ブームもついにここまでさかのぼってきました。
長編第一作です。

ちょっと読んで”アイルランド”が出てきたので
これはアレか?
刑事コロンボでの『策謀の結末』?
ポール・マッカートニーの『アイルランドに平和を』?
と勘づき、まずは下準備としてアイルランド闘争についてネットで
知識を仕入れました。

結果的には本文でもわかりやすく触れているし、
知識がなくてもミステリの面白さは損なわれない作品になっていました。

テロ組織が関わっているので警察を呼べない、という状況であり
登場人物たちが自分たちだけで推理し犯人を見つけ出すという、
お馴染みのスタイルはデビュー長編からのものだったんですね。
本作では殺し屋という存在も絡んできます。

いやあ、面白かったです。
ちょっと重そうな内容かと思いきや決してそうではなかったです。
舞台はアイルランドで登場人物もあちらの人たちですが
日本人の”フジ”が探偵役となり活躍します。
いったいこの”フジ”とはどのような人物だったんでしょう。
別作品の”碓氷優佳”の男性版というか原型なのでしょうか?

↓せっかくなので『アイルランドに平和を』


にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


私が持っているのは文庫初版ですが、185頁にて

へたり込みそうになるのwジェリーが支えた。

となっています。
誤植を見つけてうれしい。
tb: 0 |  cm: 0
go page top

煽動者

『煽動者』
石持浅海
煽動者 (実業之日本社文庫)
煽動者 (実業之日本社文庫)


テロ組織内部で殺人事件が起きた。この組織のメンバーは、平日は一般人
を装い、週末だけ作戦を実行。互いの本名も素性も秘密だ。
外部からの侵入が不可能な、軽井沢の施設に招集された八人のメンバー。
発生した殺人の犯人は誰か?テロ組織ゆえ警察は呼べない。
週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、犯人探求の頭脳戦が
始まった―。閉鎖状況本格ミステリー!


『攪乱者』の続編というべき作品です。
(共通する登場人物は一人だけですが)
本作は組織の施設に招集されたメンバーが、本部から要求されるテロ内容
について協議するとともに、その場で起こってしまった殺人事件について
も推理していきます。

空間的にも組織的にも閉ざされたという状況の中で、
登場人物たちが議論と推理をしていきます。
犯人は明らかにメンバー内にいるという中での議論は
石持さんの本領発揮というところでしょう。
ただ本作では殺人事件の解明よりはテロという組織内での事件、
というところが強く出されています。
最終的にはテロ内容と殺人動機が結びつくところは流石です。
前作では不明確だったテロ組織そのものについても触れられていました。

エンディングの一行も意外とインパクトがありました。

『攪乱者』『煽動者』と合わせて読んでみてください。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


もう一作このシリーズ書けませんかねえ。お願いします。
tb: 0 |  cm: 0
go page top

攪乱者

『攪乱者』
石持浅海
攪乱者 (実業之日本社文庫)
攪乱者 (実業之日本社文庫)


コードネーム、久米・宮古・輪島のテロリスト三人。組織の目的は、
一般人を装ったメンバーが、流血によらず、政府への不信感を国民に
抱かせることだ。彼らの任務は、レモン三個をスーパーに置いてくるなど
一見奇妙なものだった。優秀な遂行ぶりにもかかわらず、引き起こされた
思わぬ結果とは。テロ組織の正体は。
そして彼らの運命を握る第四のメンバーの正体は―。
本格推理とテロリズムの融合!


変わったシチュエーションでのミステリです。
反政府のテロリスト(普段は一般人、武装テロではない)達の話です。

ほんのいたずら程度と思われる任務とその意味を類推するTURNⅠ
他人の人生を巻き込む任務に、許される範囲での抵抗をするTURNⅡ
組織と個人の綻びが大きくなってしまったTURNⅢ
をテロリスト三人の視点からそれぞれ描きます。

そして最終話、TURNⅢ Mission:9の展開は凄かった。

相変わらずの石持作品で登場人物たちは考えては議論します。
これが持ち味なのでここがめんどくさいと感じると
この作者の作品は殆どダメになりそう。
ありがたいことに私はこの展開がものすごく気に入っています。

あー面白かった。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村

tb: 0 |  cm: 0
go page top

トラップ・ハウス

『トラップ・ハウス』
石持浅海
トラップ・ハウス (光文社文庫)
トラップ・ハウス (光文社文庫)


大学卒業を間近に控えた本橋大和は、級友たちと車2台に分乗し、郊外の
キャンプ場に出かけた。先乗りしたはずの幹事の姿は見えないが、チェッ
クイン済みのトレーラーハウスに向かう。見慣れない宿泊施設に興奮した
九人全員が中に入って、そのドアが閉まったとき、復讐劇の幕が開いた。
はたして彼らは、生きてここから出られるのか!?。


閉じ込められたトレーラーハウス内での物語。
かなりクセがありアンチ石持派には狙われそう。
狭いトレーラーハウス内での9人の行動なので
犯人の狙いどうりの順番にいかないだろう、とか、
議論がうっとうしいとか、
登場人物が冷静すぎるとか、
動機が強引とか。

そこをひっくり返すとこれまた如何にも石持さんらしい作品でした。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


面白いけど、初めて読む石持作品はこれでないほうが良さそう。

tb: 0 |  cm: 0
go page top

八月の魔法使い

『八月の魔法使い』
石持浅海
八月の魔法使い (光文社文庫)
八月の魔法使い (光文社文庫)


洗剤メーカー・オニセンの役員会議で、報告されていない「工場事故報告
書」が提示され、役員同士が熾烈な争いを始めた。同じころ経営管理部員
の小林拓真は、総務部の万年係長が部長に同じ報告書を突きつけるのを目
撃。たまたま役員会議に出席し騒動に巻き込まれた、恋人の美雪からの
SOSも届く。拓真は限られた情報だけで“存在してはいけない文書”の謎
に挑む。


面白い。
意図的に混入されたプレゼン資料内の「工場事故報告書」。
プレゼン中の役員会議室での騒動とその首謀者と思われる人物との戦い
(といっても推理)。
全く動きのない構図なのになぜこんなに面白いんだろう。
主人公もサラリーマンなので、保身のためもあり特定の人物を批判しない
よう発言に気を配ったり、またそこを評価されたり。

互いに足を引っ張り合う役員たちを描く企業小説であり、そして何より
ミステリとしての面白さ、そしてサラリーマンという枠の中でも変わっ
ていく主人公の動向。
さわやかな読後感もいい。

いいのを読んだ。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村

tb: 0 |  cm: 0
go page top

君の望む死に方

『君の望む死に方』
石持浅海
君の望む死に方 (祥伝社文庫)
君の望む死に方 (祥伝社文庫)


余命六カ月―ガン告知を受けたソル電機社長の日向は、社員の梶間に、
自分を殺させる最期を選んだ。日向には、創業仲間だった梶間の父親を
殺した過去があったのだ。梶間を殺人犯にさせない形で殺人を実行させる
ために、幹部候補を対象にした研修を準備する日向。彼の思惑通りに進む
かに見えた時、ゲストに招いた女性・碓氷優佳の恐るべき推理が、計画を
狂わせ始めた…。


『扉は閉ざされたまま』登場の碓氷優佳が出てきます。
今回は殺されたい男と殺したい男のそれぞれの計画に気付いた碓氷優佳が
その計画をつぶしてしまうというものです。
例えば、外部犯と思わせるために外していた窓の鍵を直しておくとか。

社員研修会(ともう一つの意義)という舞台設定が有効に活用され
それぞれの計画は阻止されていきます。

場合によっては、すれ違い型コメディとして成り立つような設定ですが
碓氷優佳という特異なキャラクターが本作を暗めなものに変えています。

ああ面白かった。
やはり石持浅海はいいなあ。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


tb: 0 |  cm: 0
go page top

この国。

『この国。』
石持浅海
この国。 (光文社文庫)
この国。 (光文社文庫)


一党独裁の管理国家である“この国”は非戦平和を掲げることで
経済成長を遂げた。死刑執行は娯楽となり、国民は小学校卒業時に
将来が決められ、士官学校は公務員養成所と化し、政府が売春宿を
管理する。そんな国の治安警察官・番匠と、反政府組織の稀代の戦略家
・松浦―ともに「この国のため」に知力の限りを尽くす二人の、
裏の裏を読み合う頭脳戦を活写した傑作!


連作短編集でいずれも治安警察官である番匠が登場します。
戦略家・松浦との頭脳戦を描く1話目「ハンギング・ゲーム」と
最終話「エクスプレッシング・ゲーム」が特に良いです。
頭脳戦ではありますが対テロリストとの戦いでもあり
アクションシーンも派手にかましています。

本作では一党独裁の”この国”側の視点で描かれますが
平和であり経済成長をとげているという背景もまぜ
各編の動機につなげるあたりはさすが石持浅海先生といったところです。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村

tb: 0 |  cm: 2
go page top

ガーディアン

『ガーディアン』
石持浅海
ガーディアン (光文社文庫)
ガーディアン (光文社文庫)


幼時に父を亡くした勅使河原冴は、ずっと不思議な力に護られていた。
冴が「ガーディアン」と呼ぶその力は、彼女の危険を回避するためだけに
発動する。突発的な事故ならバリアーとして。悪意を持った攻撃にはより
激しく。では、彼女に殺意を抱いた相手には? 


危険を回避するためだけに発動する「ガーディアン」という設定の元での
推理劇です。

「ガーディアン」によって死んだ職場の同僚。
殺意を抱かれるほどの関係性はないはずなのになぜ死んだ。
この問題を考え考え物語は進んでいきます。
こういった状況での理にかなった答えを推論していく様は面白い。
まさに石持さんの特徴が出ている作品です。

続く第2部では同じ能力を授かった冴の娘が強盗の人質となります。
「ガーディアン」の能力に気づく強盗のひとりとの頭脳戦になり
これも面白い。(人が死にすぎるけど)

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村



tb: 0 |  cm: 0
go page top

プロフィール

最新記事

カテゴリ

ありがとうございます

自己との対話