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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

賢者の贈り物

『賢者の贈り物』
石持浅海



同期の女の子を呼んで開いた週末の鍋パーティー。
みんなを送り出した翌朝、部屋には、女物の靴が一足。
代わりにサンダルがなくなっていた!―週明け出社しても、
その間違いを言ってこないのはなぜ?(「ガラスの靴」)。
10のwhy?本格の旗手の新たなたくらみ。


10の独立した短編が収録されています。

いずれも”日常の謎”で謎とも言えないようなどこにでもありそうな話。
これを登場人物たちが延々とあーでもないこーでもないと推論します。
そういったわけで石持浅海エッセンスが楽しめます。
何をうだうだやっているんだと思う読者も多いとは思いますが
これが石持浅海。好きな人にはたまりません。

後味悪い作品がはいっていないのは珍しいといえば珍しいか。

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二歩前を歩く

『二歩前を歩く』
石持浅海



ある日、僕は前から歩いてくる人に避けられるようになった。
まるで目の前の“気配”に急に気がついたかのように、
彼らは驚き避けていく…。(表題作)
とある企業の研究者「小泉」が同僚たちから相談を持ちかけられ、
不可思議な出来事の謎に挑む。超常現象の法則が判明したとき、
その奥にある「なぜ?」が解き明かされる!
チャレンジ精神溢れる六編のミステリー短編集。


これは変わったミステリです。
家に帰ると脱ぎ散らかしたスリッパが揃っている。
ガソリンが給油していないのに入っている。
消した筈の電気がついている。

こんな超常現象で物語は始まりますが、
探偵役小泉はその現象はそのまま受け入れ、
なぜそうなるかその意味合いを推理していきます。

どういう理屈でその現象が起こるかという理屈を初めから捨てることで
なんのために、という部分のみに特化した不思議なミステリでした。

小泉によって語られる、あるいは示唆される真相はダークなものばかり、
というのも石持浅海らしいです。
しかし最終話のみハートウォーミングな結末で
これはこれでやはり石持浅海らしい。

しかし何読んでも石持浅海はおもしろいですな。
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カード・ウォッチャー

『カード・ウォッチャー』
石持浅海



ある日、遅くまでサービス残業をしていた株式会社塚原ゴムの研究員・
下村が、椅子の背もたれに体重をかけ過ぎて後方に倒れてしまった。
そのとき、とっさに身を守ろうとして手首をけがしてしまう。
その小さな事故が呼び水となり、塚原ゴムに臨検が入ることになった。
突然決まった立ち入り検査に、研究総務の小野は大慌て。
早急に対応準備を進めるが、その際倉庫で研究所職員の死体を
発見してしまう。所内で起きた、変死。小野は過労死を疑われることを
恐れ、労働基準監督署の調査員に死体が見つかることを回避するため、
ひたすら隠ぺいしようとするのだが……。


久々に石持作品を読みましたが面白い。
今回は、とある企業の研究施設が舞台で、
労災、サービス残業の実態を調査する労働監督基準署との攻防の話です。

サービス残業や労働安全をテーマにした企業小説としての面白さ、
調査員との駆け引きのスリリングさ、
そして本作のキモである過労死と思われた死体をめぐる攻防、
どれもが石持節というべき流れで安定感もあります。

見つけた死体についてはその事件性を見抜き、原因まで推測する部分は
いかにもミステリ的で嬉しくなります。

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探偵役になっている調査員は、その相方からみた視点だと
なにか面倒なことを引き寄せてしまうタイプらしい。
関連作品とかあるんでしょうか。是非読みたい。
というか手持ちの石持作品が切れたので何でもいいから読みたい。

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身代わり島

『身代わり島』
石持浅海
身代わり島 (朝日文庫)


鳥羽湾に浮かぶ本郷島が舞台となった大ヒットアニメーション映画
「鹿子の夏」のイベントを開催させるべく、島を訪れた5人。
イベントに賛成している島民たちと話し合いを進めている矢先、
メンバーの一人が他殺体となって発見される……。


石持浅海さんらしくない通俗推理小説といったところでしょうか。
わざとこういう作品を狙って書いたようです。

かといってつまらないわけでなく
ありがちなミステリ枠?の作品として面白かったです。

まあ最初に読む石持作品としてはオススメできません。
(この作家の凄さが伝わりにくい作品ですので)

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耳をふさいで夜を走る

『耳をふさいで夜を走る』
石持浅海
耳をふさいで夜を走る (徳間文庫)


並木直俊は、決意した。三人の人間を殺す。完璧な準備を整え、
自らには一切の嫌疑がかからないような殺害計画で。
標的は、いずれも劣らぬ、若き美女たちである。
倫理? 命の尊さ?違う、そんな問題ではない。
「破滅」を避けるためには、彼女たちを殺すしかない!!
しかし、計画に気づいたと思われる人物がそれを阻止しようと
動いたことによって、事態は思わぬ方向に……。


”シリアルキラーストーリー”とのことでずっと読まずに積んでいた。
が、圧倒的なスピード感があり読み始めると止まらなくなってしまった。
いろいろ主人公が考え考え行動を起こすのはいつもの石持作品だが
なにせ重い。
どこにも救いがない。

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届け物はまだ手の中に

『届け物はまだ手の中に』
石持浅海
届け物はまだ手の中に (光文社文庫)


探り合いと騙し合いの果てに明らかになる、驚愕の事実とは!?
恩師の仇を討ち、裏切り者である設楽の家に向かった楡井は、設楽の妻、
妹、秘書という3人の美女に迎えられた。
設楽は急な仕事で書斎にいるというのだが、いつまでたっても姿を
見せない。
いったい何が起こっている――?


恩師を死に至らしめた男を殺害し、
その首を持ってかつて復讐を誓い合った旧友の家に行くという
ヘンさ全開の作品です。
その後、訪れた家ではなかなか旧友があらわれず、
代わりに妻、妹、秘書から歓待を受けつつも
その不自然さを探っていこうとする
変わった展開(でも石持作品ならあり)です。
読みつつもいったいどうやって作品を終わらせようとするのか
気になっていたのですが、まさかこういった事になるとは。
読み手の石持度次第でどうにでも評価が分かれそうな作品でした。
もちろん私は〇。

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玩具店の英雄

『玩具店の英雄』
石持浅海
玩具店の英雄: 座間味くんの推理 (光文社文庫)


科学警察研究所の職員・津久井操は、事件を未然に防げるかどうか、
の「分かれ目」について研究をしている。難題を前に行き詰まった操が、
大学の大先輩でもある大迫警視正にこぼすと、
ひとりの民間人を紹介された。
「警察官の愚痴を聞かせたら日本一」と紹介された彼は、
あの『月の扉』事件で活躍した“座間味くん”だった―。


毎度お馴染み「座間味くん」シリーズです。

警察が絡んだ事件に対し「座間味くん」がその話を聞いたのち
事件の新たな解釈を提示するという構成です。

短い短編の中できっちり話がまとまっていて
本格の面白さを存分に味わえる好短編集です。

全く同じパターンが続くので安心しつつ読む方も身構えて
結構、近い結末になっていたりします。
そんな面白さもあります。

安楽椅子探偵モノとしてかなりわかりやすくて
そして納得できる良いシリーズです。
(犯行動機等、この著者の作品でよくいわれる現実感のなささは
ありますがそれは問題なし!)

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フライ・バイ・ワイヤ

『フライ・バイ・ワイヤ』
石持浅海
フライ・バイ・ワイヤ (創元推理文庫)


隆也のクラスの転入生は、二足歩行のロボットだった!
これは病気の少女をロボットを通じて通学させる実験だという。
奇妙な転入生にも慣れてきたある放課後、校内で級友が撲殺され、
彼女の背中が被害者の血で染まっているのが発見される。
殺害の動機は?
ロボットと事件の関わりは?!友人の死に直面した隆也たちを
新たな事件が襲う…。近未来を舞台にした青春本格ミステリ。


創元推理文庫での石持作品はSF的な設定が多い。
出版社としてのカラーを出しているのでしょうか。

本作はロボット転校生がやってくる(自称美少女)!です。
ロボットといっても病気で学校へ来られない少女が操作しているらしい。

ここらへんが軸となって殺人事件が起こりますが、
その動機は理屈ではそうでしょうが、なんともなあ。という塩梅。

まあ石持作品は理屈の面白さが主なのでそこはあまり気にせずとも
良いのかもしれません。

一応真犯人探しでは学生たちが討議していますので
いつもの石持テイストは健在です。

さて本作、ミステリでありますが学園ものでもあり、
ラストは結構いい雰囲気です。ちょっといいね。

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君がいなくても平気

『君がいなくても平気』
石持浅海
君がいなくても平気 (光文社文庫)
君がいなくても平気 (光文社文庫)


水野勝が所属する携帯アクセサリーの開発チームが大ヒット商品を生み出
した。だが祝勝会の翌日、チームリーダーの粕谷昇が社内で不審死を遂げ
る。死因はニコチン中毒。当初は事故と思われたが、水野は同僚で恋人で
もある北見早智恵が犯人である決定的な証拠を見つけてしまう。なぜ、彼
女が…!?人間のエゴと感情の相克を浮き彫りにする傑作ミステリー。


主人公、水尾勝がひどい。(但し有能なサラリーマンではあるようだ)
恋人が殺人犯である証拠をみつけるが、自分のキャリアに傷が付かぬよう
恋人が捕まる前に分かれてしまおう、と考える。

恋人が殺人犯が前提で話が進むが、ここにはどんでん返しはない。
設定が崩れるのでは、と疑心暗鬼になりながら読む必要はありません。
安心して読んでください。

あとは動機探しで推論を繰り返していくところはいつもの石持作品。

楽しめました。

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まっすぐ進め

『まっすぐ進め』
石持浅海
まっすぐ進め (河出文庫)
まっすぐ進め (河出文庫)


僕が書店で一目惚れした美しい女性・高野秋。
彼女は左手首にいつもふたつの時計をはめている。
そして僕は気づいてしまった。彼女にきざす孤独の影に…。
ふたつの時計に隠された、重大な秘密。
恋人たちを襲う衝撃の真実とは?
日常の謎から人の心の綾をロジカルに解き明かす異色の恋愛ミステリー。


連作短編集です。
恋愛ミステリということで扱う謎は”日常の謎”。
でも甘すぎないところが石持浅海さんというところでしょうか。

主人公とヒロイン役との関係がいい。
さらに脇役である彼らの友人たちも心地よい

主人公の推理は果たしてそれが正しいのか、の検証パートはないのですが
それはいつも通り。

ただ今回は、こういう考え方をするからこそ巡り合い、
そしていい結末をむかえる恋人どうしの話、ということで。

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