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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

神々の埋葬

『神々の埋葬』
山田正紀


『神狩り』『弥勒戦争』に続く神をテーマにした長編です。
本作はお馴染みのテーマ、神とは何か、と
そこに巻き込まれる人間を描いたSF長編です。

結果的には筋にあまり影響を及ぼしてはいませんでしたが、
ほとんどの登場人物がなにか重要そうな雰囲気をもっており、
主人公だけでなく、出す人物全員熱く描いてやろう、といった
勢いようなものが感じられました。
『神狩り』『弥勒戦争』と同じく、壮大なテーマを、
長編とはいえそんな大長編でない分量で描き切るのですから力技です。

本作は第4回角川小説賞受賞作とのことですが
知名度は低そうです。
初期作品はすべてハルキ文庫あたりから出しなおしているかと思ったら
本作は角川での単行本と文庫本だけでその後再版等ないようです。
残念です。

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笑劇 SFバカ本 カタストロフィ集

『笑劇 SFバカ本 カタストロフィ集』
岬兄悟 大原まり子編



人類滅亡級の衝撃!? 傑作短編集9連発
1996年から、12冊が刊行された「SFバカ本シリーズ」。
この伝説の短編集の100を越える短編の中から、前作「笑壺」につづき、
9編を厳選したアンソロジーが本書。「パラサイト・イヴ」の瀬名秀明は
SF文学賞のドタバタを描き、松本侑子、久美沙織ら、女性作家は、
不思議な性の世界を描く—彼らのまったく違う一面が見られる
大爆笑の短編集。


こういってはなんですがSFの名を借りたオモロないのがありました。
SFは間口が広くなんでも扱えるのでこういう事が起こりえます。
設定がSFでもマインドがSFでない。
設定も展開もなんだかわからないがマインドはSF。
分りずらいが後者を選びたい。

瀬名秀明「SOW狂想曲」
まさにこういった思い込みの激しい選考委員も出てくる
SF文学賞騒動記です。

岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」
人口密度増により立ったまま生活する人々を描いています。
これこそSFではありますまいか。

岬兄悟「出口君」
食わず嫌いでこの作者を敬遠していたのは、
なぜか軽薄なイメージを持っていたから。
軽薄を超えたこのバカSF具合はなかなか面白かった。

森奈津子「西城秀樹のおかげです」
文庫本背表紙で本タイトルを見かけるもちょっと買えなかったので
ここで読めて良かった。
Y.M.C.A.の話に繋がるが本当なのか?
本アンソロジー内で一番面白かった。
今度は森さん自身の本も買ってみようか。

久美沙織(よくこんなの書くな)と松本侑子の作品も良かった。

牧野修「メロディ・フィアー」
ハードSFからの変化球か。

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竜の眠る浜辺

『竜の眠る浜辺』
山田正紀
竜の眠る浜辺 (ハルキ文庫)
竜の眠る浜辺 (ハルキ文庫)


百合ケ浜町が、突然濃い霧に覆われた。
気がつくと、この町からは誰も出られなくなっており、
ティラノサウルスが闊歩する白亜紀の世界へタイムスリップしていた。
町の成り上がり久能直吉と二代目直己、
変わり者でなまけ者の文筆家田代、孤独なタバコ屋のシズ婆さん―
町のさえない人々が、もう一つの世界でファンタジックな青春幻想を抱く
もう一つの人生…。SF長篇の傑作。


SFの設定ではありますがその説明などありません。
なにしろ登場人物で説明できる人など誰もいません。
作者も説明しません。ただただ現象あるのみ。

普通の人々(しかも無気力に生きている人々も含め)の再生の物語
といった内容です。
山田正紀自身愛着ある作品といっているとおり、何か暖かい。

恐竜に戦いを挑むシズ婆さんのネコもいいキャラとなってますなあ。

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わたしのリミット

『わたしのリミット』
松尾由美
わたしのリミット (創元推理文庫)
わたしのリミット (創元推理文庫)


坂崎莉実は、父親と二人暮らしの17歳。5月のある朝、父親は
「彼女を莉実の名前で病院へ入院させてほしい」という書き置きと
見知らぬ少女を残し、姿を消してしまった―。
やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、莉実が遭遇する
奇妙な出来事の謎を、話を聞くだけで見事に解いてしまう。
莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。
心温まる、愛らしい連作ミステリ。


日常の謎とリミットをめぐる謎。
SF的解釈をすればリミットとは誰なのか、
だんだんわかるように描かれていますが、
それでも最後までその言葉を読者には出さず
最後は二人は別れていきます。

読み終わり後ちょっと泣いてしまったのですが
その泣き顔を奥さんに見られてしまいました。

いろいろなエピソードが謎解きとは別に
”感動”につながる伏線となっていて
ちょっとやられてしまいました。

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さてさて
さぞ他の人も感動してるのかと思い、レビュー記事をみているのですが
なんか多くの人はそうでもないようでした。

ストーリーがありがちらしい。
そうなのか!おじさんにはそうでもなかったぞ。
怪奇探偵小説にはこんな泣いちゃうのはないぞ。

リミットの正体も早くからわかってつまらないらしい。
いや、それはわかるように書いてあるんだってば。

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盤上の夜

『盤上の夜』
宮内悠介
盤上の夜 (創元SF文庫)


相田と由宇は、出会わないほうがいい二人だったのではないか。彼女は四
肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった―若き女流棋士の栄光をつ
づり、第一回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作にはじまる全六
編。同じジャーナリストを語り手にして紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯を
めぐる数々の奇蹟の物語。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋…
対局の果てに、人知を超えたものが現出する。二〇一〇年代を牽引する新
しい波。


まず表題作は創元SF短編賞で本出版も創元SF文庫と”SF”がつきますが
果たして”SF”なのかどうか。
また囲碁、将棋等を題材にしていますがルール等詳しくなくてもついて
いけるか。
何の問題もありません。凄いのを読んでしまったという感じです。

単純な勝負録ではなくいろいろなネタをつないでなんとも不思議な、そ
してクールな筆致で物語を紡ぎます。

なんていうんだろう。普段から作品紹介はうまくありませんがこの作品
群は全く説明ができません。

巻末の冲方丁さんの解説を何度も読み返しています。(これこそ解説)

まあ読んでみてください。

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もはや何が何だかわからない凄みのある「盤上の夜」
”量子歴史学”なんて言葉が出てくる「千年の虚空」
麻雀が題材で一般的な勝負モノの緊迫感も味わえる「清められた卓」
が特によかったです。


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