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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

倒叙の四季

『倒叙の四季』
深水黎一郎
倒叙の四季 破られたトリック (講談社ノベルス)
倒叙の四季 破られたトリック (講談社ノベルス)


懲戒免職処分になった元警視庁の敏腕刑事が作成した
“完全犯罪完全指南”という裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人
の殺人者。「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」
「冬は氷密室で中毒殺」。心証は真っ黒でも物証さえ掴ませなければ逃げ
切れる、と考えた犯人たちの練りに練った偽装工作を警視庁捜査一課の
海埜刑事はどう切り崩すのか?一体彼らはどんなミスをしたのか。


タイトル通り倒叙モノのミステリ連作です。事件は “完全犯罪完全指南”
に沿って緻密に計画されています。
犯行描写は細かく法医学的な内容も多く含んでおり興味深いものがありま
した。多くのミステリでの犯人の浅墓な行動を批判(得意のメタでなく)して
いたりしているところもありそこも興味深い。

謎解きはあくまで物的証拠に拘るので犯人との駆け引き部分が少ない
という事もあるのでしょうが、探偵役の造形は抑えているようです。
コロンボ、古畑、福家のようなキャラはありません。

・・・が本格推理の面白さを伝承するものとして、ぜひ作品数を増やして
テレビドラマ化していただきたい。
“完全犯罪完全指南”に関する部分は最終話のサプライズとして。

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大癋見警部の事件簿 リターンズ 大癋見vs.芸術探偵

『大癋見警部の事件簿 リターンズ 大癋見vs.芸術探偵』
深水黎一郎
大癋(べし)見警部の事件簿 リターンズ 大癋見vs.芸術探偵
大癋(べし)見警部の事件簿 リターンズ  大癋見vs.芸術探偵


凝った手際でナンセンスを極めるヤバい笑いの衝撃作。
最悪の警部が帰ってきてしまった!

本格ミステリーの聖域を踏み荒らした男が帰ってくる。
今度は、本格ミステリーからさらに芸術の世界まで生け贄に。
常に話題作を生み出す著者が、ミステリーへの強すぎる愛と、
芸術への深すぎる造詣をこれでもか、と注入して生まれた
痛快にしてご意見無用、巧緻にして油断大敵な怪しき力作!


怪作です。
前作ではミステリそのものをネタにしていましたが
本作は絵画、漢字、音楽などをネタにしています。
そのせいかミステリ濃度は低いです。

「指名手配は交ぜ書きで」
伝助と博、これがキーワードです。

「とある音楽評論家の、注釈の多い死」
音楽評論での、褒めているように見せかける評論、
あるいはその逆をネタにしていています。
作者はこの業界をも敵にしてしまうのか。
これどんな評論にも(当然書評にも)応用できるわけですなあ。
褒めようがないけど褒めているようにとれるキャッチコピーを
結構見かけますが、これ読むと非常にリアルで笑ってしまう。


他には
「盗まれた一品の数々」
「大癋見警部殺害未遂事件」
「ピーター・ブリューゲル父子真贋殺人事件」

収録です。


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言霊たちの反乱

『言霊たちの反乱』
深水黎一郎
言霊たちの反乱 (講談社文庫)


平和な休日、婚約者が突然怒り狂う。路上では外国人に殴られ、ファミレ
スでは麻薬取引現場に遭遇。ついには凶悪テロの首謀者として手配される
羽目に。原因は全て言葉の聞き間違いと勘違いだった。いにしえの人々が
崇敬し畏怖した言葉に宿る「霊力」が現代人を陥れようとしているのか?
驚愕の言葉トリック・ミステリに震えよ!


まず言葉トリック・ミステリって何?これミステリではないよなあ。
まあ各短編が互いに関連づく仕掛けとか意味の分からなかったところが
後に(場合によっては別の短編で)わかるところなどはミステリ作家魂
炸裂といったところでしょうか。

各編言葉をテーマにしたギャグ小説ですがにやにや笑いっぱなしでした。
筒井康隆氏を思わせるハイブローな中身でした。

・漢は黙って勘違い
聞き間違えばっかりする男が巻き込まれる騒動ですが、何を何に聞き間
違ているのかいちいち説明していないので読んでるほうで気づかない部
分も多々ありそうです。ミステリでいえば伏線だらけです。

・ビバ日本語!
外国人に日本語を教える日本語講師の話ですが、この人も聞き間違い、
勘違いが多い。無数に仕掛けられたギャグを全部読み切れていないだろ
うなあ。ちなみに生徒に質問されて分からない場合は”東洋の神秘”と答
えます。

・鬼八先生のワープロ
ある特定分野の言葉を学習している鬼八先生のワープロ。
畳みかけてくるスピード感と次第に解放されていく主人公がいい。

・情緒過多涙腺刺激性言語免疫不全症候群
こりゃタイトルからしてツツイ的です。
感動をあおるようなありふれた表現を聞くと狂暴化していく男の話。
マスコミをテーマにしたり、次第にエスカレートしていく展開はまさに
筒井康隆。

ああ面白かった。

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人間の尊厳と八〇〇メートル

深水黎一郎
人間の尊厳と八〇〇メートル (創元推理文庫)


「俺と八〇〇メートル競走しないかい」
ふと立ち寄った酒場で、見知らぬ男から持ちかけられた異様な“賭け”の
意外な結末。一読忘れがたい余韻をもたらす、日本推理作家協会賞受賞の
表題作ほか、極北の国々を旅する日本人青年が、おもちゃ屋と博物館で遭
遇した二つの美しい謎物語を綴る「北欧二題」など、バラエティ豊かな
5篇を収録。

まずはこの魅力的なタイトルの「人間の尊厳と八〇〇メートル」
不確定性理論やら量子力学などを引き合いに出しつつ人間の尊厳を証明す
るため八〇〇メートルを競争するというハッタリが面白く、さらにはそこ
からまたひねられていく、という作品です。

「北欧二題」
欧羅巴とかいてルビでヨーロッパと読ませるように本文には一切カタカナ
を使わず漢字にルビをふって表記しています。そんなわけで読みづらいの
ですが青年バックパッカーが遭遇する”日常の謎”を扱っています。

「特別警戒態勢」
皇居爆破予告・・なぜ予告したのか
作者曰くホワイダニットに特化した作品。

「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」
完全犯罪談義だが、これはよくあるパターンで完全犯罪を目論んだが結局
発覚してしまった犯人のモノローグ。なぜ発覚したのか。これこそ善人の
見えない牙

「蜜月旅行 LUNE DE MIEL」
これは謎解きモノではなくちょっと変わった恋愛小説といった感じ。
でもよかった。

ここ最近この作者の作品を何冊か読んでいるがどれも面白く本作も良かっ
た。最初に読んだ「ウルチモ・トルッコ」を読み返したいがもう売っちゃ
ったなあ。

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美人薄命

『美人薄命』
深水黎一郎
美人薄命
美人薄命


孤独に暮らす老婆と出会った、大学生の総司。家族を失い、片方の目の視
力を失い、貧しい生活を送る老婆は、将来を約束していた人と死に別れる
前日のことを語り始める。残酷な運命によって引き裂かれた男との話には
総司の人生をも変える、ある秘密が隠されていた―。


ミステリランキング本で好評価で、そこでは、老婆と青年の交流の物語が
後半で・・・云々的な紹介だったので期待しました。

老婆の戦後の悲惨な体験談を挟みつつの構成で書体も変えているので
何かあると思いつつも・・・・

読了してみれば爽やかな読後感もありこれは面白かった。

さて、物語のなかである人物の曰くありげなエピソードが出てきますが、
これが何を意味するかぜんぜんわかりませんでした。
またしてもネタバレサイト等で意味合いを探ったわけですが、なるほど本
書のキモである、とある事象を読者に気付かせるために配置したんです
ね。
それにしては説明が無さすぎで結構多くの読者も疑問に思っていたよう
です。

さて私は帯が無い状態で読みましたが、この帯にもその事象にからむ
ネタが仕込まれていたようです。
「”殺される運命”と知っていた。それでも、愛していた」
「命を失うその瞬間も、隠さねばならなかった秘密とは?」

本作はミステリ(驚く要素として)ではあるのですがそうでなくても読め
てしまう作品でした。
一見意味がわからなかったあのエピソードの意味合いこそ現代ミステリ
としての構造に必要だったのかもしれません。

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