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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

安達ヶ原の鬼密室

『安達ヶ原の鬼密室』
歌野晶午
安達ヶ原の鬼密室 (祥伝社文庫)
安達ヶ原の鬼密室 (祥伝社文庫)


太平洋戦争末期、疎開先から逃げ出した梶原兵吾少年は、一人の老婆が留
守を預かる不思議な屋敷で宿を借りることに。その夜、二階の窓には恐ろ
しい“鬼”の姿が…。やがて、虎の像にくわえられた死体が見つかり、屋
敷に逗留していた者は次々に異様な死を遂げた―。いくつもの謎と物語が
交差する、著者ならではの仕掛け満載、興奮必至の傑作ミステリー!


既読です。
あのメイントリックを途中で思い出してきました。でも面白い。

本編である「安達ヶ原の鬼密室」を
「こうへいくんのナノレンジャーきゅうしゅつだいさくせん」と
「The Ripper with Edouard」という小説が
それぞれ前編、後編として挟みこんでいる構成です。
また「安達ヶ原の鬼密室」内にも探偵役がかつて関わった事件として
「密室の行水者」という章でまるまる”展望風呂殺人事件”が
組み込まれています。

何でこうなったかというと・・・・・

不可能趣味炸裂の大ネタを配置した上に、
このような小説そのものの遊びも加わえた本格ミステリーでした。

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そして名探偵は生まれた

『そして名探偵は生まれた』
歌野晶午
そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)
そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)


影浦逸水は、下世話な愚痴が玉に瑕だが、正真正銘の名探偵である。
難事件解決のお礼に招かれた伊豆の山荘で、オーナーである新興企業の
社長が殺された。雪の降る夜、外には足跡一つなく、現場は密室。
この不可能犯罪を前に影浦の下す推理とは?
しかし、事件は思わぬ展開に……。(「そして名探偵は生まれた」より)
“雪の山荘”“孤島”など究極の密室プラスαの、
ひと味違う本格推理の傑作!


中編4編を収めています。

「そして名探偵は生まれた」
密室ものですが、特にトリック的に面白い作品というよりは
”名探偵”という存在である影浦が助手にこぼす愚痴が面白い。
これが名探偵の真の姿です。

「生存者、一名」
冒頭に「生存者一名」という報道記事で始まり
以降は関係者の一人の事件に関する手記と、
交互に配置される報道記事で構成されています。
無人島で次々と仲間が殺されていくというスリラー的展開と
だれが生存者なのかという点で読者を引っ張っていきます。
最後は誰が生存者かわかり、それ自体アッと驚く展開ですが
さらにもうひとひねりがありました。これは面白い。

「館という名の楽園で」
五十過ぎのおじさんたち(大学の探偵小説研究会OB)の一人が建てた
<三星館>を舞台に繰り広げられる推理ゲーム。
館自体に意味を持たせたバカミス的な大ネタがあります。
軽い雰囲気だったのが最後はしんみりとします。

「夏の雪、冬のサンバ」
乱歩の『二銭銅貨』を引用したりしていますが
屋根裏の散歩者ではありません



最近、歌野晶午作品を読んでいますが高水準の連続です。

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正月十一日、鏡殺し

『正月十一日、鏡殺し』
歌野晶午
新装版 正月十一日、鏡殺し (講談社文庫)
新装版 正月十一日、鏡殺し (講談社文庫)


彼女が勤めに出たのは、このままでは姑を殺してしまうと思ったからだっ
た――。夫を亡くした妻が姑という「他人」に憎しみを募らせるさまを描
く(表題作)。猫のように性悪な恋人のため、会社の金を使い込んだ青年。
彼に降りかかった「呪い」とは(「猫部屋の亡者」)。全七編収録。
鬼才初の短編集を、新装版で。


最初に解説を読むクセがあるのですが、その解説には、
”短編集でどこからも読めるけど収録順に読んで”、
とありました。
理由はだんだん嫌度があがっていくから。

イヤミスの類は苦手なので
この”嫌度”で読むのがイヤになっていたのですが
ついに読んでしまいました。

うぅ。

「美神崩壊」「プラットホームのカオス」と
一気に嫌度がアップしてかなりイヤになってきたところ
最後の「正月十一日、鏡殺し」もキツイ。

イヤな気分になるから是非読んでみてください。

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強烈な傑作作品群でした。

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長い家の殺人

『長い家の殺人』
歌野晶午
新装版 長い家の殺人 (講談社文庫)


消失死体がまた元に戻る!?
完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、
学生バンド“メイプル・リーフ”殺人劇。
「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、
ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。
この恐るべき謎を、あなたは解けるか?
大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。


新装版ということで再読しました。
これはノベルス版で発売当時に読んでいます。

どろどろした人間関係もなく読みやすいなあ、と思いました。

メインとなるトリックですが昔も思いましたが今も思うのは・・・

”これは気付くよ”

パズルとしては良く出来ているのですが
これで犯罪を実行しようとは思えないなあ。

一度ならず二度も同じこのトリックで勝負を賭けるのはなんとも。

なんてところはありますがやはり”新本格”いいですね。

さて作中、探偵役の信濃譲二が
「おお、これだ!考えごとをする時のBGMはこれにかぎる。」
といっていたのがコレ。

↓キング・クリムゾン「21世紀の精神異常者」


考えごとできへん。

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死体を買う男

『死体を買う男』
歌野晶午
死体を買う男 (講談社文庫)


乱歩の未発表作品が発見された!?
「白骨記」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ
――南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。
男は、毎夜月を見て泣いていたという。
乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。
実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。
奇想の歌野ワールド!


これは発表当時ノベルスで読んでいました。
実は結構読んでいた歌野さんでした。

本作は乱歩の未発表作品を思わせる探偵小説『白骨鬼』と
その作品をめぐる現代の推理小説家の思惑が交互に描かれる体裁です。

まず作中作『白骨鬼』がいい。
いかにも乱歩的な作風で乱歩ガジェットがこれでもかと詰め込まれており
ワクワクしながら読み進められます。
章題も「屋根裏の散歩者」等、乱歩作品からの借用となっており
ストーリーにも合致しています。

『白骨鬼』だけでも単純に面白いところ
それを内包して本書『死体を買う男』があるので
”一粒で二度おいしい”状態になっています。


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