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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

大きな棺の小さな鍵

『大きな棺の小さな鍵』
本格ミステリ作家クラブ
大きな棺の小さな鍵 本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)
大きな棺の小さな鍵 本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)

毎度お馴染みの本シリーズです。
2004年発表の作品からの選定です。

大収穫は

「黄昏時に鬼たちは」(山口雅也)

遊戯として隠れ鬼。テーマとしてひきこもりを題材にした本作は
ミステリとしての驚きも素晴らしいし、
その後の余韻のようなものも良かった。
本作を含む連作短編集があるようですが読んでみたい。

「二つの鍵」(三雲岳斗)
一本の金の鍵と三本の銀の鍵。
金の鍵で施錠すると銀の鍵でしか開けられず、
銀の鍵で施錠すると金の鍵でしか開けられない。
面白そうでしょう。
レオナルド・ダ・ヴィンチが活躍します。

「光る棺の中の白骨」(柄刀一)
溶接された小屋を開けたら白骨死体があった。

評論「密室作法[改定]」(天城一
読まなかった。
何故なら『天城一の密室犯罪学教程』で読んでいたから!
本アンソロジーでの作者メッセージの
57年目にやっと単行本を上梓できて、「宝石」第一期新人(扱)の
面目を保ちました。

とあるのがコレ。

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開かせていただき光栄です

『開かせていただき光栄です』
皆川博子
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)


18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、
あるはずのない屍体が発見された。
四肢を切断された少年と顔を潰された男性。
増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、
治安判事は捜査協力を要請する。
だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…
解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。
そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。


第12回本格ミステリ大賞とのことで読みました。
著者は名前は何となく知ってはいましたが読んだことのない方でした。

さてイメージする「本格」ではなかったのが正直な感想なのです。
強烈なトリックだけが本格ではなく、練られたプロットと物語性が
「本格」を構築するんですね。

本作はなにより「物語」です。
シャーロック・ホームズより遡る事、百年前の18世紀ロンドン、という
全く馴染みのない世界が舞台です。
解剖、外科行為が低く見られていた時代において
解剖の重要性を説く医者ダニエルと弟子たちの物語です。

冒頭からこ気味良いユーモラスなやりとりで解剖シーン、主要人物登場、
死体出現、とスピーディに展開します。

ここに別の少年の物語が挟まり、やがて二つの物語がクロスします。

そして治安判事が推理をしていくあたりからミステリ色がでてきます。

「開かせていただき光栄です」(Dilated to meet you)
とは変わった題名ですが、彼らが解剖するにあたっての最初の言葉で
「お目にかかれて光栄です」(Delighted to meet you)
をもじっているという設定です。

ひねった題名ですがいいですね。
「解剖学殺人事件」とかにならなくて本当に良かった。
文庫表紙のイラストも素晴らしい。

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読ませていただき光栄です。
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名探偵の呪縛

『名探偵の呪縛』
東野圭吾
名探偵の呪縛 (講談社文庫)
名探偵の呪縛 (講談社文庫)


図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一に
なっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、
「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の
正体は? そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の
主人公が長編で再登場。


本格ミステリのお約束事項をネタにするところは
前作『名探偵の掟』同様ですが、
本作は笑いの要素は無くなっています。

東野圭吾さん自身と思えるミステリ作家が、
『本格推理』という概念がない世界へ名探偵として転生します。

終章では、この世界の意味合いと、東野圭吾さん自身の本格推理小説への
向き合い方ととれる内容が出てきて非常に興味深い。

意外に重い内容の小説でした。

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名探偵の掟

『名探偵の掟』
東野圭吾
名探偵の掟 (講談社文庫)
名探偵の掟 (講談社文庫)


完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットから
ハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。
すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、
恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、
業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。


本格ミステリ自体をネタにしています。

密室
意外な犯人
閉ざされた空間
ダイイングメッセージ
時刻表
二時間ミステリドラマ
バラバラ死体
一人二役
叙述ミステリ
首なし死体など・・・

こんなところを登場人物にご都合主義などと
言わせたりして皮肉っています。

登場人物も”名探偵”と”とんちんかんなことを言う警部”
がレギュラーですが、この二人、互いに小声で、
”密室宣言するのもうやだ”とか
”次はアレがそろそろくるだろ”とか”メタ発言を繰り返します。
さらには、ちゃんと推理する読者なんていないとか、いろいろ言い放題。

読んでてニヤニヤします。
私も読んでいて推理なんぞせず、探偵役の解決をなるほどそうなんだなあ
などと深く考えないで読んでいる読者です。

まずは本格ミステリあるある的な読み方で楽しめます。
しかし作者東野圭吾さん自身は真剣に”本格”を考え
自らのミステリ観を変えていったようでもあります。

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本格力

『本格力』
喜国雅彦・国樹由香
本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド
本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド


本格ミステリ誕生175年目の衝撃!
日本推理作家賞受賞作家が放つ
今まで見たことのないブックガイド!!

○本当にお薦めしたい古典ミステリを選ぶ「H-1グランプリ」
○読んで書いて覚える「エンピツでなぞる美しいミステリ」
○本棚探偵が街で見つけた謎「ミステリの風景」
○みすを名言・格言集「ほんかくだもの」
○名作をイラストで紹介「勝手に挿絵」
○喜国雅彦の本を楽しむ姿を描く「国樹由香の本棚探偵の日常」

蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲
蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲

(「エンピツでなぞる美しいミステリ」コーナーより)



本棚探偵こと喜国雅彦さんの愛に溢れる古典ミステリへのリスペクト、
だけでなく、どんな有名作であってもつまらないものはつまらないと
紹介しています。結構スゴイな。この企画。
この企画の裏側も中盤からわかってきます。

儂「坂東善博士」と、普通の女子高生「りっちゃん」の対話形式で
進められ、意見が分かれたりもします。
都度、この企画の為にちゃんと読んで、どこが面白い、どこがダメだと
はっきりいうのでダメでもほんとにダメなのかと逆に興味がわいたりし
ます。

本当に楽しい読書タイムでした。

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