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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

パズル崩壊

『パズル崩壊』
法月綸太郎



女の上半身と男の下半身が合体した遺体が発見された。
残りの体と密室トリックの謎に迫る(「重ねて二つ」)。
現金強奪事件を起こした犯人が陥った盲点とは?(「懐中電灯」)
全8編を収めた珠玉の短編集。


「重ねて二つ」
『奇想の復活』という書き下ろしアンソロジーで最初に読んだときは
まさに奇想と感じました。
実際にはありえないと思いますが本格作家はここまで考えるのだと
恐れおののきました。
また人間だって単なるミステリの道具だてにすぎないと
これは批判的ではなくほんとに驚きました。

「懐中電灯」
倒叙物でコロンボ風なのでこれは奇想ではなく手堅い作品でした。

とここまでは面白かったのですが
あとはちょっと小難しかったり狙いがわからないものばかりでした。
ちょうど本格の枠組みについて悩んでいた時期の短編集になるようで
これ以降ふっきれたかのように気楽に?本格モノに取り組めたようです。

ということでパズラー法月綸太郎を求める人は本短編集は
”パズル”という書名があるにしても後回しで良さそうです。
(パズル”崩壊”はそういった内容からなのでしょうか)

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「重ねて二つ」は他アンソロジーにも収録されていました。
これだけは探してでも読むべし。
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蘆屋家の崩壊

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)
(2002/03/20)
津原 泰水

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蘆屋家の崩壊

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。
伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。
飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、
榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地獄に変貌する―。
鬼才が彩る妖しの幻想怪奇短篇集。


これは素晴らしい作品群でした。
前々から本作は見かけていてはいましたが
ポーの「アッシャー家の崩壊」をもじったタイトルに
むしろ軽さを感じ手にも取らなかったのですが
別の本で紹介されていたので
読んで見たところいやすごいのなんの。

語り手の猿渡と”伯爵”の人物も面白いですし
一種独特の捩れたユーモアのある文体は
非常に効果的に幻想怪奇譚を彩ります。
この文体なくして少しづつ歪んでいくこの物語世界は表現できないんでしょうね。

「猫背の女」「カルノキス」「超鼠記」「埋葬虫」あたりが
読みやすい部類でオススメです。

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だれもがポオを愛していた

だれもがポオを愛していた (創元推理文庫)だれもがポオを愛していた (創元推理文庫)
(1997/08)
平石 貴樹

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誰もがポオを愛していた

米国ボルティモア市郊外で日系人兄妹の住むアシヤ屋敷が爆破された。
直前にかかった予告電話どおり、『アッシャー家の崩壊』そのままに幕を開けた事件は、
つづく『ベレニス』『黒猫』に見立てた死体の発見を受けていよいよ混沌とするが……。


ポオとはもちろんエドガー・アラン・ポオ
肝心の『アッシャー家の崩壊』さえ読んでいませんが
それでもポオ諸作の見立て殺人は面白いものがありました。

この作家は以前、『笑ってジグソー、殺してパズル』を読んでいて
それが大変面白かったので期待大でしたが
本作も素晴らしい出来でした。
むしろ本作のほうが評価が高いようです。

ポオ、見立て殺人、と
ケレン味たっぷりですが実はガチガチ王道の本格ミステリで
いわゆる”読者への挑戦”も入っています。

登場人物名はちょっとふざけていて
被害者はアッシャー家ならぬ 日系のアシヤ家。
探偵役は日本人の ニッキ・サラシナ。
警官たちは ナゲット、ケロッグ、ナビスコ、など商品名からとられています。
またゲイの警官コンビはロンとヤース。
ついでに新聞記者はポールでカメラマンはジョン・ハリスン。
安易かワザとそうしたかはわかりませんね。

また主人公がニッキ・サラシナが解決のヒントを受けたという
作中作 ”アッシャー家の崩壊に関する見解”が
興味深いです。
これ 『アッシャー家の崩壊』を怪奇小説でなく犯罪小説として
読み解こう、というものです。

ぜひとも『アッシャー家の崩壊』を読まねばなりませんね。

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