07«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»09

茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

ミステリ珍本全集 十二人の抹殺者

『十二人の抹殺者』
輪堂寺耀
十二人の抹殺者 (ミステリ珍本全集02)
十二人の抹殺者 (ミステリ珍本全集02)

ミステリ珍本全集の第二回配本の本作。
「十二人の抹殺者」と「人間掛軸」収録しています。

今回は「十二人の抹殺者」のみご紹介。
読むのにエネルギーを要し「人間掛軸」まで気力が続かない。

まずは帯の惹句より。

ふたつの屋敷で次々と起こる連続殺人事件に挑む
名探偵・江良利久一の推理!


江良利久一ってエラリー・クイーンのもじりですなあ。

これだけではまだインパクトは弱いですが次がいい。

トリックの大量見本市というべき伝説の本格ミステリ、堂々の復活!

いったい大量見本市とは。派手にやらかしていそうです。

本作は昭和35年に小壺天書房より初版が発行されて以来
ずっと再刊されていなかったという珍品中の珍品です。
それゆえ復刊希望の声も高かったようで
なんと鮎川哲也氏も復刊を出版社に打診していたとのこと。
さらには自作「材木座の殺人」の中にて本書を取り上げています。
そのくらいの熱量のある作品がこの「十二人の抹殺者」で、
鮎川氏がとりあげるくらいなので”本格”探偵小説なのです。

物語は一つの敷地内にある二つの邸宅で起こる連続殺人を描いたもので
この2件は親戚同士という関係です。

章題はこんな感じ

第一章:凶徴の賀状
第二章:渦中の十二人
第三章:第一の惨劇
第四章:三次元の密室
第五章:消えていたストーヴ
第六章:三つの解釈
第七章:怪しい物音
第八章:第二の惨劇
第九章:恐怖の二十分
第十章:強盗殺人鬼の子
第十一章:動機の問題
第十二章:柱時計は何を語る?
第十三章:偽証の藁人形
第十四章:第三の惨劇
第十五章:下駄とスリッパ
第十六章:場所的不連続の詭計
第十七章:江良利の登場
第十八章:第四の惨劇
第十九章:自殺か他殺か?
第二十章:腕時計が語った
第二十一章:容疑者
第二十二章:アリバイの問題
第二十三章:第五の惨劇
第二十四章:二次元の密室
第二十五章:殺人幇助?
第二十六章:生体処理と死体処理
第二十七章:誰が犯人か?
第二十八章:第六の惨劇
第二十九章:超人的犯人
第三十章:四次元の密室
第三十一章:誰が悪魔か?
第三十二章:不吉な誕生日
第三十三章:第七の惨劇
第三十四章:不思議な相似
第三十五章:第八の惨劇
第三十六章:逆密室の殺人
第三十七章:第九の惨劇
第三十八章:他殺的自殺
第三十九章:恐るべき真相
第四十章:告白

ハッタリが効いています。

この作品では敷地内での8つの連続殺人と
それ以外に2つの殺人が行われていますが
8つの連続殺人には

・三次元の密室トリック
・時間的不連続のトリック
・場所的不連続のトリック
・自殺的他殺のトリック
・二次元の密室のトリック
・四次元の密室トリック
・逆密室のトリック
・他殺的自殺的他殺のトリック


という名称が与えられるなどこれもハッタリが効いています。
クラクラしてきますでしょ。

主に密室と雪上の足跡に関するトリックですが
図解がないのでちょっとわかりにくい。
何しろ延々とトリック解説を江良利久一が語っていますが
語り口が無味乾燥でメリハリがないので頭に入ってこない。
実は地の部分も同様にメリハリがないためついつい読み飛ばしてしまい
慌てて読み返すことも多かったです。

推理といえば各事件発生早々に刑事と江良利で推理を述べ合い
江良利がトリック解明を行いますが、それが正しいのかどうか
作中ではっきりしないまま次の事件が発生します。
(真犯人を指摘した後、おさらいのようにトリック説明が
これまた無味乾燥に記述されていました。江良利が正しかった)

しかし物理トリック、アリバイトリックを大量に導入し
真犯人の位置づけとしては横溝正史的な設定もあり
必ずや探偵小説ファンは虜になると思います。
今回私は読み飛ばしが多かったですがかなりフェアな本格だと思います。

見取り図、トリック解明図をつけ是非文庫化してほしいものです。
私ごときがいうのもなんですがもっと知られていい作品です。
もしかしたら霧舎巧さんあたりは
この過剰な本格指向に影響を受けているのではないでしょうか。

******************************
とここまで書いて「人間掛軸」も読みたくなり読んでしまいました。

こちらも同趣向で
同一敷地内でのとある一族に起こる連続殺人事件です。

こちらはすべて
絞首し掛軸の釣具にその遺体がつり下げられていて(だから人間掛軸)
しかもその家は密室状態で逃亡経路がないというもの。

読んだそばから思い出せませんが
これが数日かあるいは一日で発生しています。
(数も思い出せないくらい人はたくさん死んでいます)

こちらも江良利久一が登場しますが
「十二人の抹殺者」と同じく
事件に関与してからも
一向に犯罪を防ぐ事が出来ません。

ここらへんは金田一耕助タイプの探偵のようです。

搬出経路についてはそのトリックについては期待しましたが、
結局禁断のアレでした。
ただしそれだけで終わらせず、いろいろこねくり回しています。
やはり本作も読み飛ばしてしまったところが多く
伏線回収を読む楽しみが減ってしまったのですが面白かった。

どちらの作品も
犯罪者の子供はその資質を受け継ぐ、という考え方を
警察側、探偵側に語らせ、それをかなり執拗に繰り返し記述しています。
ちょっと違和感を感じる部分ではありました。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


tb: 0 |  cm: 2
go page top

名探偵の掟

『名探偵の掟』
東野圭吾
名探偵の掟 (講談社文庫)
名探偵の掟 (講談社文庫)


完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットから
ハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。
すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、
恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、
業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。


本格ミステリ自体をネタにしています。

密室
意外な犯人
閉ざされた空間
ダイイングメッセージ
時刻表
二時間ミステリドラマ
バラバラ死体
一人二役
叙述ミステリ
首なし死体など・・・

こんなところを登場人物にご都合主義などと
言わせたりして皮肉っています。

登場人物も”名探偵”と”とんちんかんなことを言う警部”
がレギュラーですが、この二人、互いに小声で、
”密室宣言するのもうやだ”とか
”次はアレがそろそろくるだろ”とか”メタ発言を繰り返します。
さらには、ちゃんと推理する読者なんていないとか、いろいろ言い放題。

読んでてニヤニヤします。
私も読んでいて推理なんぞせず、探偵役の解決をなるほどそうなんだなあ
などと深く考えないで読んでいる読者です。

まずは本格ミステリあるある的な読み方で楽しめます。
しかし作者東野圭吾さん自身は真剣に”本格”を考え
自らのミステリ観を変えていったようでもあります。

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村


tb: 0 |  cm: 2
go page top

リストマニア ~ ミステリ

アマゾン リストマニア転載シリーズ第9回は
10年8月と11月に投稿したものです。

連城三紀彦作品を初めて読んだのですが
この時は(あるいはこの作品)拍子抜けしていたようです。

では



最近ミステリ乱読中 その4(10年8月21日投稿)

1. 高城高全集〈1〉墓標なき墓場 (創元推理文庫) 高城 高
"タイトルは深い意味かと思いきや実は即物的だった"

2. 矩形の密室 (トクマ・ノベルズ) 矢口 敦子
"登場人物は皆なにか歪んでいる"

3. 夜想曲(ノクターン) 依井 貴裕
"叙述に何かあるとは感じていました"

4. 温かな手 石持 浅海
"この変な設定が最後の一篇で美しく閉じられました"

5. とってもカルディア (講談社文庫) 岡嶋 二人
"?"

6. 月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫) 有栖川 有栖
"再読。火山が噴火したりと場面は派手だが内容は地味。
でも正当な本格。"

7. 孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 有栖川 有栖
"再読。これはお見事。"

8. 双頭の悪魔 (創元推理文庫) 有栖川 有栖
"前2作に比べると動機など粗いのでは。とはいえ良い"

9. どこまでも殺されて (新潮文庫) 連城 三紀彦
"?"

10. 武家屋敷の殺人 (講談社ノベルス) 小島 正樹
"一気に読んでしまいました。正統派。"

11. 福家警部補の再訪 (創元クライム・クラブ) 大倉 崇裕
"「挨拶」に続く2冊目。やはり良いです。"

12. 枯れ蔵 (創元推理文庫) 永井 するみ
"”良質の”という感じのミステリー"

13. 探偵の夏あるいは悪魔の子守唄 (創元推理文庫) 岩崎 正吾
"横溝モノを彷彿。でも暗くなってなくて良い。"

14. ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件
(創元推理文庫) 北村 薫
"こちらはクイーン。好き勝手にやったかんじ。"

15. 亜智一郎の恐慌 (創元推理文庫) 泡坂 妻夫
"亜"

16. 聖女の救済 東野 圭吾
"こういう驚き方もあるのだと感心しました"

17. 太陽の塔 森見 登美彦
"ミステリーではないがおもしろかったので。"

18. ブレイクスルー・トライアル 伊園 旬
"カスタマーレビューどうり"

19. 毒殺魔の教室 塔山 郁
"地味だが良いと思う。"

20. もつれっぱなし (文春文庫) 井上 夢人
"最初以外は良いと思う。"

21. 大博打 (新潮文庫) 黒川 博行
"本格ではないが読んでて楽しい。"

22. 奇想天外のミステリー (宝島社文庫)
"巻末の「日本ミステリー暗黒史 バカミス狩り」
だけがおもしろいという惨さ"

23. 月光亭事件 (創元推理文庫) 太田 忠司
"大トリックあり。"

24. 獅子座 (創元推理文庫) 藤 桂子
"たぶん凄い暗号があるが淡々と解読するのがもったいない。"

25. シャドウ (創元推理文庫) 道尾 秀介
"暗い話だが一気に読んだ。最後は救われた感じ。"



最近ミステリ乱読中 その5(10年11月21日投稿)

1. まだ殺してやらない (講談社ノベルス ) 蒼井 上鷹
"なんですかこれは!結末もわからないし!"

2. 啄木鳥探偵處 (創元推理文庫) 伊井 圭
"石川啄木が探偵役。人物像もいいしミステリーとしてもいい。"

3. 天地驚愕のミステリー (宝島社文庫)
"”バカミス”とはもっと凄いものだと思っていた。普通。"

4. 君らの狂気で死を孕ませよ―新青年傑作選 (角川文庫) 中島 河太郎
"奇 想 。"

5. 樹縛 (創元推理文庫) 永井 するみ
"大変よく出来たミステリー。舞台も新鮮。"

6. 樹霊 (創元推理文庫) (創元推理文庫 ) 鳥飼 否宇
"これぞ本格。ちなみに”樹縛”とは解説者が同じで同じ構成だ。"

7. とむらい機関車 (創元推理文庫) 大阪 圭吉
"読んでびっくり。こんな凄い本格モノが戦前からあったとは。
”バカミス”の元祖?"

8. 透明人間の納屋 (講談社ノベルス) 島田 荘司
"コンパクトに纏まっていて読みやすかった"

9. 堂場警部補の挑戦 (創元推理文庫) 蒼井 上鷹
"これはいいんじゃないでしょうか"

10. 君らの魂を悪魔に売りつけよ―新青年傑作選 (角川文庫)石浜 金作
"タイトルは浜尾四朗の「彼が殺したか」より"

11. サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫) 大崎 梢
"本屋さんの業務報告集"

12. 金雀枝荘の殺人 綾辻・有栖川 復刊セレクション (講談社ノベルス) 今邑 彩

13. 密室の鎮魂歌(レクイエム) (創元推理文庫) 岸田 るり子
"密室うんぬんより、プロットがいい。"

14. 探偵の秋あるいは猥の悲劇 (創元推理文庫) 岩崎 正吾
"Yの悲劇 「甲府のドルリーレーン」なにかある"

15. 狂い壁 狂い窓 綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)
竹本 健治
"怪奇ミステリー 竹本節たっぷり"

16. 退職刑事〈4〉 (創元推理文庫) 都筑 道夫
"『著者サイン本』がわかりやすかった"

17. あなたが名探偵 (創元推理文庫)
"『ゼウスの息子たち』がよかった"

18. QED 河童伝説 (講談社ノベルス) 高田 崇史
"もういいです"

19. ミステリーの愉しみ 1 奇想の森 鮎川 哲也
"岡戸武平『五体の積木』凄い。あと大坪砂男『天狗』"

20. 天使の歌声 (創元推理文庫) 北川 歩実
"カバーイラストは何を表しているのか"

21. 生ける屍の死 (創元推理文庫) 山口 雅也
"”奇抜な設定”で敬遠していたが地に着いているというか
しっかりとしていた。トレイシー警部がいい味出す。"

22. 密室・殺人 小林 泰三
"そっちを驚くべき作品なのか"

23. 妖女のねむり (創元推理文庫) 泡坂 妻夫
"輪廻転生バナシが見事に・・・・・・これは大変素晴らしい作品です。"

24. 短篇集〈3〉阿刀田 高 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集) 阿刀田 高
"「来訪者」・・怖い"

25. 謎解き道中―とんち探偵・一休さん (祥伝社文庫) 鯨 統一郎
"まあこんなもんか"



↓とまあこんな感じで応援よろしくお願いします
にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村

tb: 0 |  cm: 0
go page top

ハルさん

ハルさん (創元推理文庫)ハルさん (創元推理文庫)
(2013/03/21)
藤野 恵美

商品詳細を見る


『ハルさん』

(瑠璃子さん…今日はね、ふうちゃんの結婚式なんだよ。
まさか、この僕が「花嫁の父」になるなんて…)
結婚式の日、ハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った五つの謎を。
心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、
天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった―
児童文学の気鋭が、頼りない人形作家の父と、
日々成長する娘の姿を優しく綴った快作。




東京創元社の「ミステリ・フロンティア」で見かけていたのですが
この弱々しい惹句で敬遠しておりました。

このたび文庫版を見かけ創元推理文庫ファンとしてはまずは購入。

何気なく読み始めましたが
これはイイ!

ミステリとしては「日常の謎」派の作品ですが
これもかなりしっかりとしています。

あとがきによれば作者は児童文学者でミステリ・マニアです。
児童文学者が軽くミステリっぽいものをやってみるか、
というテキトーな作品ではありませんでした。

しかしなにより素晴らしいのは
娘のふうちゃんとお父さんであるハルさんの成長記録。

ほのぼのしますし、涙ぐんだりもしてしまいました。
これ、
小さな娘さんを持ったお父さんが読んだらどうにかなってしまいそう。

この本のような
あたたかい世界に入りびっていたい。

↓あたたかく応援よろしくお願いします
にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村



tb: 0 |  cm: 0
go page top

インディアン・サマー騒動記

インディアン・サマー騒動記 (ミステリ・フロンティア)インディアン・サマー騒動記 (ミステリ・フロンティア)
(2011/03/24)
沢村 浩輔

商品詳細を見る

『インディアン・サマー騒動記』

これは意外なヒロイ物といった感じで面白かったです。

お人好し大学生・佐倉くんが遭遇する連作短編集です。

いわゆる日常の謎である「夜の床屋」から始まりますが
だんだん日常でなくヘンな方向へ捩れていきます。

そのヘンな方向は「『眠り姫』を売る男」を軸として
「葡萄荘のミラージュⅠ」「葡萄荘のミラージュⅡ」で物語を構成します。

そして「エピローグ」で近年の連作短編集のはやりのひとつである
”全体を貫く仕掛け”を行っています。

「『眠り姫』を売る男」が先に単品として存在していたようで
結構強引に”全体を貫い”ていますがここはご愛嬌です。

本書のタイトル『インディアン・サマー騒動記』ですが
この短編を改題したのが「夜の床屋」だそうで
どうせなら本書のタイトルも
『インディアン~』じゃないほうが良かったと感じました。

せっかく「『眠り姫』を売る男」というなかなかのタイトルがあるので
こちらにすればよかったのにね。
わたしはそのほうが手にしやすいタイプの読者です。

↓全体を貫いて応援よろしくお願いします
にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村
tb: 0 |  cm: 0
go page top

プロフィール

最新記事

カテゴリ

ありがとうございます

自己との対話